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エリザベスの友達 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2021/08/30 |
JAN | 9784101203522 |
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エリザベスの友達
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商品レビュー
4
10件のお客様レビュー
施設に入所している認知症の母とその娘たちの物語で、認知症老人を温かい目で描く良作。中国の租界や満州などの若い頃の体験を今の体験として感じているという説明に、認知症への理解が深まったように思う。
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いい老人ホームだ。2人の娘もよく通ってくれて初音さんは幸せだ。でもそんなこちらの世界とは全く別のところに認知症のお年寄りは生きているようだ。だとしたら幸せって何だろう…
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老いと病気のなかで、認知症は幸福な病気なのかもしれないと思った。 認知症の初音さんは過去のつらい時代に行くこともあるけれど、多くは、華やかな天津租界での暮らしに行っている。現実世界では、娘や介護士の目線で、老人たちは抜け殻に例えられている。しかし、初音さん本人の意識は、羽飾りの...
老いと病気のなかで、認知症は幸福な病気なのかもしれないと思った。 認知症の初音さんは過去のつらい時代に行くこともあるけれど、多くは、華やかな天津租界での暮らしに行っている。現実世界では、娘や介護士の目線で、老人たちは抜け殻に例えられている。しかし、初音さん本人の意識は、羽飾りのついた帽子を被り、ドレスやハイヒールの洋装をし、美味しいケーキを囲んで、お友達同士お互いをヴィヴィアンやサラとあだ名で呼び合う。とても甘く幸せな世界だ。 初音さんに限らず、老人ホームの認知症のお年寄りはみんなそう。若くて自由だった時代に生きている。老いや病気なんて関係ないし、小さな不幸も軽く虫を払いのけるかのように自由気ままに過ごしている。そこでは、みんな「エリザベスの友達」なのである。 いずれ、親が歳を取り、私や周りの友人たちも老人になる。みんな死ぬ。確実に。絶対に。 そのことを考えると、子供の頃と変わらず、中年になった今も怖くて眠れなくなる。 解決策はないけれど、恐怖を和らげるような幸福な老いの物語として、この先も読み返したい一冊になった。 余談だけど、もし私が認知症になって名前を聞かれたときに、旧姓や愛称ではなく、例えば好きなラッパーや作家を名乗ったり、ネーミングが強すぎる友達のSNS名を名乗る可能性もあるんだな…と考えたら恥ずかしくなってきた。 「おばあちゃんお名前は?」「あい、宇多田ヒカルです」と答え、自分のことを歌姫だと思い込む老後か…。アッパー過ぎてヤバいかもしれない。 あと、老人ホームで曲をかけると心ここにあらずの老人たちが若かりし頃に戻り、急に歌い出す描写がとても好きだ。私の世代だと、老人ホームで小室ファミリーとか流されるのかな。全然好きな音楽じゃないけれど、それはそれで楽しそう。
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