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エリザベスの友達 新潮文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2021/08/30 |
JAN | 9784101203522 |
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エリザベスの友達
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商品レビュー
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11件のお客様レビュー
御年97歳の初音さん、その娘の満州美と千里を視点人物として、「かつての自分」が「いまの自分」になってしまった認知症の老人たちと、その様子を戸惑いながら見つめる子供世代の日常が描かれる。興味深いのは、それぞれの生きた戦争と戦後に囚われ、意識を固着させてしまった老人たちの世界と子供...
御年97歳の初音さん、その娘の満州美と千里を視点人物として、「かつての自分」が「いまの自分」になってしまった認知症の老人たちと、その様子を戸惑いながら見つめる子供世代の日常が描かれる。興味深いのは、それぞれの生きた戦争と戦後に囚われ、意識を固着させてしまった老人たちの世界と子供たちの世界とが基本的に切れており、ごくわずかな糸でしか結ばれていないこと。だから、子供たちは老人たちに見えている世界が理解できず、認知症の老人たちにはそもそも子供たちが誰なのかさえ分からない。しかし、老親たちのちょっとした振る舞いや言動から、彼ら・彼女らが「あの時」をどう生きていたのか、自分たち自身はどう生きてきたのかという想像と反省が立ち上がっていく。 タイトルの「エリザベス」は、夫の仕事の都合で天津の租界で暮らすことになった初音が日本人夫人たちの噂話の中で聞いた溥儀の妻・婉容から。租界という場所だから女性たちは国内では不可能だった自由と豊かさを謳歌し、日本敗戦とともにそれらを失った。老人たちは、満洲や朝鮮をめぐって、帝国の宗主国民としての記憶を確かに刻み込んで生きてきた。著者はそうした老人たちの生を否定しないが、一方で、そうした記憶が突如としてよみがえって来るさまを冷静に見つめていくところが秀逸で、勉強になった。
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施設に入所している認知症の母とその娘たちの物語で、認知症老人を温かい目で描く良作。中国の租界や満州などの若い頃の体験を今の体験として感じているという説明に、認知症への理解が深まったように思う。
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いい老人ホームだ。2人の娘もよく通ってくれて初音さんは幸せだ。でもそんなこちらの世界とは全く別のところに認知症のお年寄りは生きているようだ。だとしたら幸せって何だろう…
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