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海辺の金魚
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
| 発売年月日 | 2021/06/09 |
| JAN | 9784591170243 |

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海辺の金魚
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商品レビュー
3.6
20件のお客様レビュー
切ない連作短編だが、表題作のラストに息が詰まった。 淡水魚である金魚を海へ放流するが、そのことへの解釈が難しい。 希望を漂わせた絶対的なバッドエンドを感じるが、後に続く作品を読むと必ずしもそうとは思えない。 主人公が金魚について知らないとも考え難いのでゾッとした。 海とは広い世界...
切ない連作短編だが、表題作のラストに息が詰まった。 淡水魚である金魚を海へ放流するが、そのことへの解釈が難しい。 希望を漂わせた絶対的なバッドエンドを感じるが、後に続く作品を読むと必ずしもそうとは思えない。 主人公が金魚について知らないとも考え難いのでゾッとした。 海とは広い世界の象徴だろうか……金魚は母親なのかもしれない。
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展開、比喩表現、会話、なにからなにまでわざとらしさを感じるし、非常に亜流です。主人公の母親についても、もう少し掘り下げて書いてもよかったのでは。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
児童養護施設で暮らす花は、夏を迎えて18歳になった。翌春には施設を出るきまりだが、将来のことや遠く離れた母親のことで葛藤を抱えている。 ――― (引用) ――― 家族とは、そんなに素晴らしいものだろうか。いつか読んだ本に、家族とは「自分から決して逃げない人」のことだと書いてあった。一度逃げられてしまった私たちは、この先その「家族」というものを、一体どう信じれば良いというのだろう。 ――― (引用おわり) ――― そんなある日、ぬいぐるみを抱えた女の子・晴海が施設にやってくる。複雑な事情を抱えながらも日々を懸命に歩む晴海の姿に、花はかつての自分を重ね合わせていることを知る。 ――― (引用) ――― 「花、いい子でね」 いつになったら、私はあなたのいい子になれますか。いい子になれば、あなたはその手で私を撫で、優しく抱きとめてくれますか。 「いい子にしても、帰れないじゃん」 わかっている。晴海の言った通り、どんなにいい子になったって、帰れる場所もなければ迎えてくれる人もいない。あの人の言う「いい子」とは、解き方のない呪いなのだ。 そうとわかっていながらも、私はかつての世界の全てを手放すことができなかった。手放したくても、できなかった。あの人のいい子をやめてしまえば、私は誰の何になればよいのかわからない。あの人のいい子であること以外に、私は私自身を見出すことができなかった。その虚しさを自覚しながらも、もはやどうすることもできない。 私は心の奥底で、名もない金魚の奇跡を信じていた。信じなければ、今にも自分もろとも海の底へ引きずり込まれてしまいそうで怖かった。 「ママ、」 私は思わずあの人を呼んだ。 「ママ、」 届かぬ声が虚しく波音にかき消され、それでも私は呼び続けた。 「ママ!」 ずっと呼びたかったあの人の名を、ずっと呼んで欲しかった私の名を、今日、ここですべて流してしまおう。この世界の丸さに乗って、いつか優しさとなって返ってくる日を信じて待とう。私はその日まで、どんな荒波が押し寄せても、恐ろしい強風が吹いても、「おかえり」と言えるようにこの世界で生きていよう。 私たちに起きた事実は変えられないけれど、真実は自分次第だと、いつかタカ兄が言っていた。事実をどう受け取るか、それを抱えてどう生きるか、答えは出なくてもその道のりが自分なりの真実になると。 ――― (引用おわり) ―――
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