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ものが語る教室ジュゴンの骨からプラスチックへ
定価 ¥2,090
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/06/01 |
JAN | 9784000063388 |
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ものが語る教室ジュゴンの骨からプラスチックへ
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1994年だったのか、「僕らが骨を拾うわけ」から。約30年前だけど、それはとても刺激的な教育書だった。 そのスタンスは変わらずあることに強く感じた。
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ゲッチョ先生の歴史をたどるような本だった。 海岸で骨を拾ったり、死体を拾って骨格標本を作ったりといったこれまでに書いてきたことも、流れがわかると感慨深い。 『めんそーれ!化学』では書き切れなかった、沖縄の人々と海獣(主に鯨、ジュゴン)との関わりと歴史も文献と取材から丁寧に描かれて...
ゲッチョ先生の歴史をたどるような本だった。 海岸で骨を拾ったり、死体を拾って骨格標本を作ったりといったこれまでに書いてきたことも、流れがわかると感慨深い。 『めんそーれ!化学』では書き切れなかった、沖縄の人々と海獣(主に鯨、ジュゴン)との関わりと歴史も文献と取材から丁寧に描かれている。 ゲッチョ先生のお父様の盛口襄さんの晩年の様子なども胸が熱くなる。この父にしてこの息子なんだなあと。教師として、研究者として、現実生活から離れずに実践を重ねて科学の面白さを伝える。 特にお父様が晩年毎日食事を作り、最後まで気にかけていたというのは、昭和の男としては本当に凄い。また、調理を完全に任せていたお母様も、今ならあり得るが、当時の女性としては珍しかっただろう。 ゲッチョ先生は小説家ではないが、ゲッチョ先生を育んだ、このちょっと変わった家庭の小説を読んでみたいなあと思う。 身につけるものには無頓着でセーターは一枚しか持たず、使い込んだザックには動物の骨や剥製が入ってるゲッチョ先生もかなり面白く、親子二代で小説にしてもいい。教え子と対等どころか、分からないことがあれば進んで教えを乞うところも、年取ってできる人は少ないと思う。 この本では、ゲッチョ先生とお父様の人間としての魅力につくづく感じ入った。 学びに「コスパ」を考えることに対して 「「これをするとこうなる」。こんなふうに、学びに単一の目標が立てられるのは、時間をごく限って考えたときの話だ。本当は、物事は、多重的な意味あいを持っている。ただしそれは長い時間をかけて見なければわからないこと」(P167) 「教える側ではなくて、教わる側がリアルなことが大事だってことだよね。教わる側が何かを学んだと思うときに、初めて教える側の存在意義ができる。」(P197)
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なんとなく図書館の新書コーナーで手に取った本。 理科の先生、主に生物学、骨の話だった。 理科って自然のことを扱うことが多いんだけど、自分達の身近にある自然をまずちゃんと認識することが大事なのかな。身近にいないライオンは知ってるけど、足元にある雑草の名前は知らない。 骨の標本だと知...
なんとなく図書館の新書コーナーで手に取った本。 理科の先生、主に生物学、骨の話だった。 理科って自然のことを扱うことが多いんだけど、自分達の身近にある自然をまずちゃんと認識することが大事なのかな。身近にいないライオンは知ってるけど、足元にある雑草の名前は知らない。 骨の標本だと知っている動物もキャラクター化して考えているから、実は全然知らない。(豚や狸の頭の骨は思っているより丸くない!) ホンモノを知ることが大事。そして、骨からいろんなことがわかる。食べ方や進化の過程、そしてくらしやれきし。いろんなものが繋がっている。 そんな骨を海で拾えるなんて知らなかった!海にはいろんな漂着物があって、流木だけかと思っていたけど、海の向こうのものや、海の中のものなどたくさんあるんだな。 面白かったのは、コスパの学びの話。コスパの良い学びの最終目的地は資格試験だったり、目的がかたちに残ること。逆にコスパが悪い学びとは学びの結果が必ずしもかたちに残ることではない。なにかをやるときに、なんとなく面白そうだと思い、追いかけ始めたけれど、途中で追跡がとまったしまったり、初めの目標とまるで違った結果に辿り着いたり、何がどうなるかわからない。何かを始めるときに、その結果まで見通せることなんて、そうはない。「これをすると、こうなる」と言う考え方は、まさに消費社会的に、いくらのお金を払えば、即座に、ある商品が手元に届くと言うシステムの反映に過ぎない。物事に、たった1つの意味しか見出せないのは、それこそコスパが悪いんじゃなかろうか。何度も思い返し、その都度、何度も新たな解釈を引っ張り出せる学び。 プラスチックの歴史の話も面白かった。象牙のビリヤードのボールの代わりに初めてプラスチックが使われて、今はいろんなものがプラスチックに変わってしまった。プラスチックの代替品になったものは何があるのか、すごく気になった。プラスチックは石油からできているって恥ずかしながら知らなかった。石油は変化しにくいから、そりゃプラスチックも分解しにくい性質があるよね。 著者のお父さんの言葉も印象に残るものがたくさん、化学は人間の歴史を学ぶ学問。人間は手が自由になった時石を運んで石を作った、これが原点。 今自分の周りにあるものは何なのか、何からできているのか、どうやってできているのか。それを知っている人はどれくらいいるんだろう。もっと身の回りのことから知りたくなったな。
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