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恐怖 アーサー・マッケン傑作選 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2021/05/19 |
JAN | 9784488510039 |
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恐怖
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商品レビュー
3.2
8件のお客様レビュー
短編・中編がいくつか収録されている中で『パンの大神』と『恐怖』が特に良かった。あと『白魔』も中々。どの話でも何かしら不吉な出来事が起こり、その背景には超自然的な”何か”があって、しかし大抵の場合、それがどのようなものなのかをはっきりと描くことは無い。超自然的な出来事をミステリー仕...
短編・中編がいくつか収録されている中で『パンの大神』と『恐怖』が特に良かった。あと『白魔』も中々。どの話でも何かしら不吉な出来事が起こり、その背景には超自然的な”何か”があって、しかし大抵の場合、それがどのようなものなのかをはっきりと描くことは無い。超自然的な出来事をミステリー仕立てに追っていく様は、推理小説やSFの手つきに近いが、最後に至っても「不吉な予感」のみで、ある意味正しくホラーの文法に則っているような気もする。ここに脅威の正体を大々的に描くことをしたらラヴクラフトの作品になりそうだし、科学的な解釈を加えたらSFやミステリーになりそう。そういう風に見ると後の色々な作品に影響を与えたことが読み取れて面白い。 『恐怖』で扱っている怪異の対象は「自然」や「流行病」で、一応話の筋を追う人物はいるものの存在感は希薄。それは他の収録作にも共通している手つきで、人間よりも現象の不吉さ、汚らわしさ、神秘性を丹念に描こうとしているように感じられた。人間中心主義から離れ、触ることに忌避を覚えるほどの危うい何かに近づこうとする欲求。現代から見ると大した恐怖譚では無い場合が多いのだけど、そういった「冒瀆的なものに近づきたい」という作者の想いは作品の端々から伝わってきて、そこに一番共感した。 てか古典ホラーの解説読んでるとほんとよくラヴクラフトの名前出てくるなあ。ホラー界の特異点だ。
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現代に照らし合わせて読んでしまうと物足りなさが残るものの、この作品が書かれた年代を考えれば賛否両論巻き起こした問題作と言われるのは理解出来ます。ただ個人的には再読は無いです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ところが、ぼくは、人間の目がああいうまぼろしを見れば、害なきを得ないということを忘れていたのだ。またきみが言ったように、生命の家をあんなふうにあけ放すと、なにが飛びこんでくるか知れたものではない、ひょっとすると、人間の肉体は真言秘密の悪魔のかぶりものにならないともかぎらない、ということもぼくは忘れていたのだ。つまり、ぼくは自分にまだわかっていない力をもてあそんだのだ。 2022/4/3読了 S・キングが『心霊電流』で献辞を捧げた『パンの大神』を収載。見れば正気を保てなくなる、恐ろしい異世界がすぐ傍にある、という世界観は共通している。 ところで、「身体上の危険はぜったいにない」と断言したくせに、ドクター・レイモンドの実験は、悲惨な事態を招いてしまう。で、言って(書いて)いることがコレ。「どうだ、こう考えれば説明が付くだろう」とドヤっているようだが、後悔・反省しているとは全く思えない。
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