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火花散る おいち不思議がたり PHP文芸文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
| 発売年月日 | 2021/05/12 |
| JAN | 9784569901237 |

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商品レビュー
3.6
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
江戸の町医者・松庵の娘である、おいち。父親を手伝いながら、松庵のような医者になりたいと日々努力と研鑽を重ねている。実は、人には見えないものが見えたり聞こえたりするおいち。その不思議な能力で、無念のうちに命を落とした人々の想いを受け取り、解決に導いていく。 今回は、お殿様の子を身籠った女性が、権力闘争から逃れておいちのもとで出産したことから話が始まる。その女性、滝代は、子を助けようと自ら囮になり殺されてしまった。子を守りたいおいち、下手人を挙げたい岡っ引きの仙五朗は、協力しながら子を守り、下手人探しをする。 滝代の子、十助は、ちょっと訳ありの商家にもらわれて、その商家は十助を江戸から遠ざけるために、廃業までしてどこぞの田舎に引っ越した。これなら安心!その商家のおばあさんは、若い頃の過ちをずっと悔いていて、十助を引き取ることでどうやら救われそうな感じ。二重で良かった! そして十助を狙っていた御家人たちの正体も判明し、でも仙五朗は町筋なので突き出す事はできない。襲った側にも一分の正義があるのだけど、丸腰の妊婦(滝代が出産前だと装っていた)を殺した事実は変わらず、仙五朗はきついお灸を据える。モヤモヤするけど、江戸の世では仕方ない‥。 おいちに惚れてる飾り職人の新吉、あまり進展はなかったけど、頑張れ!と思う。 松庵と、おいちの伯母である、おうたのやり取りは、安定の面白さ。おうたが松庵を罵倒する言葉で私がツボったのが、「立て付けの悪い雨戸みたいな顔=どうにもしまらない顔」。おうたさん、悪口の才能がすごい。 今回、おいちは滝代と関わったことで、将来の夢を明確にする。女のための医者になりたい、どんな境遇でも、安心して子を産める場所を作りたい。 医の道の厳しさを知る松庵は、無理だと一蹴するけど(親の視点からだから、理解はできる)、仙五朗は、おいちさんならできる、と言う。そしておうたも、大事な大事な姪っ子が夢を現にできると信じて、あたしがついてる、と心の中で、おいちを応援して支えることを決意する。このくだり、いつもは松庵を罵倒し、おいちには早く嫁に行けと急かすおうたの心情に、私は涙ぐんでしまった。 おいちは、周囲の人間に恵まれていて、どんな事件に巻き込まれても、きっと大丈夫という安心感がある。いつのまにか、6作目まで出ているので、早く読まねば!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。おいちの将来やりたいことも固まってきて、なんだか頼もしくなったなあと。母親にもなりたいって言ってるから、そんな自立してる女性を助けられるのは懐の深い新吉だと思う。今回は2人に進展はないけど、次回以降が楽しみ。自分のやりたいことを成し遂げようとするおいちはかっこいい。
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シリーズ4弾目も女の悲しみの話でそれはもう切ないやら。昔の女性は自分で自分の生き方を決められることがないばかりか周りに強要されたり権力争いに巻き込まれたり読んでて辛い。滝代がどんな思いで出産し守ろうと行動したのか、あまりに不憫でやるせない。お蔦たちが子を育てる様を見て江戸の女の逞...
シリーズ4弾目も女の悲しみの話でそれはもう切ないやら。昔の女性は自分で自分の生き方を決められることがないばかりか周りに強要されたり権力争いに巻き込まれたり読んでて辛い。滝代がどんな思いで出産し守ろうと行動したのか、あまりに不憫でやるせない。お蔦たちが子を育てる様を見て江戸の女の逞しさや強さも感じられる。十助がこの先に幸せであってほしいし、十助の周りもみんな幸せであってほしい。おいちが女のための医者になりたいと目標や夢がハッキリしたことがまた前進。周りはどうあれ夢を叶えてたくさんの女性を救ってほしい。
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