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黒牢城
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米澤穂信(著者)

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黒牢城

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2021/06/02
JAN 9784041113936

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商品レビュー

3.9

648件のお客様レビュー

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2023/10/07

この発想に…平服。

2023年10月読了。

永らく積ん読ですっかり忘れており(失礼!)、ふと見付けて読みました。

いやはや荒木村重と黒田官兵衛の有岡城での1年弱の間に、これだけの芳醇且つ濃密な戦国譚、ミステリー小説を描くとは…、歴史好きの私にとっても意表を突かれ、又その重...

2023年10月読了。

永らく積ん読ですっかり忘れており(失礼!)、ふと見付けて読みました。

いやはや荒木村重と黒田官兵衛の有岡城での1年弱の間に、これだけの芳醇且つ濃密な戦国譚、ミステリー小説を描くとは…、歴史好きの私にとっても意表を突かれ、又その重厚さに心から魂消てしまいました。

荒木の城抜けやその後の歴史を知る者にとって、かなり不可解な行動と解されていた部分に、これだけの物語を仕掛けるとは……、本当にこの方はミステリ作家なのですか?凡百の歴史小説家を蒼白にさせたでしょう。

大河ドラマ等の影響で、最近はこの頃の武将達が比較的マイルドに(と言えば聞こえは良いが、要は綺麗事だけ描く事が常態化して)、”現代人にも優しく見える“武将の人物像を想起させる物語が巷に溢れています。

話は逸れますが、『鎌倉殿の13人』の放映後、視聴者の一部で「鎌倉時代は血腥過ぎて嫌いだ。戦国時代の方がまだ良い」と云う感想が上がっていたのを読み、その無知さに飛び上がる程驚きました。

室町末期はそんな生易しい時代などではな無く、もっともっと人の生命が軽かった時代なのは少し学べば解るのに…と、多メディアに簡単に振り回される人達に腹が立ちました。

その点、この小説は正に「戦国時代の峻烈さ」をよくよく描き出していると懐います。籠城策と云うのは一般的には「追い込まれている側」が執る行動であり、あの小田原城でも結果として、大きな戦闘が無いまま落城した通り、長期間では上策とは言えません。
それは取りも直さず、兵糧の問題に限らず「多くの人の閉塞感が高まる」為、長期戦には向かないからです。ではなぜ荒木は、織田からの再三にも渡る「赦免及び話合い」の誘いを悉く断り籠ったのか、そしてその後単独脱出したのか、不思議で成りませんでした。毛利が東進したがらないのは自明の筈。
ちなみに信長は「苛烈誅求を究めた残虐な殺人者」では有りません。最近の資料で、寛容に赦免したり、荒木や松永には何度も「許すから話をしよう」という手紙を出して、翻意を促していた事実が分かっています。

それだけに、荒木の本当の心中は誰にも分からないのですが、これだけ細部まで良く調べた書込みで「籠城側の揺れ動く心理状態」を克明に描き出し、その上にミステリーを重ねるという離れ業は、著者にしか出来ない大業だと思いました。
荒木村重と云う目立たない武将に光を当てた事にも感謝です。

左衛門佐

2024/11/24

ミステリー要素満載の時代小説。 〇〇の戦い とか暗記してきたものの一つ一つに様々な出来事なあるんだよな、と改めて思った。 そして、人と人との関係でここまで因果が巡っていくのかと感心。 黒田官兵衛、本当に頭がキレます。

Posted by ブクログ

2024/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

荒木村重という人物を知れてよかった。 この本において、村重は自分のことを有能と思っているけれど、凡人だったんだなと感じた。 村重は探偵役だけど探偵役じゃなくて、真の探偵役として官兵衛がいて、そして、最後に主役は官兵衛だったと分かった。 こういうパターンは初めてだった。 全体的にご都合主義感が漂っていたものの、ページを捲る手が止まらないぐらいには面白かった。

Posted by ブクログ

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