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本心
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2021/05/26 |
| JAN | 9784163913735 |
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本心
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商品レビュー
3.9
285件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自由死を望んでいた母の事故死。 母子家庭だった息子はVFによる<母>の再構築を通じ、喪失を嘆き、母の他者性に向き合い、昇華し、受け入れていく。
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「自由死」が合法化された2040年代の入口、「リアル・アバター」として働く主人公の朔也が、亡くなった母のVF(ヴァーチャル・フィギュア)の作成を依頼するところから物語が始まる。 朔也が最新の人工知能と共存しながらも、結局は血と心の通った人間と関わりあいながら、母の死や自分の孤独...
「自由死」が合法化された2040年代の入口、「リアル・アバター」として働く主人公の朔也が、亡くなった母のVF(ヴァーチャル・フィギュア)の作成を依頼するところから物語が始まる。 朔也が最新の人工知能と共存しながらも、結局は血と心の通った人間と関わりあいながら、母の死や自分の孤独と折り合いをつけていく過程が描かれている。前半は自分と母のことだけでいっぱいいっぱいで、殻にこもっていたような朔也に苛々したが、朔也が少しずつ殻を出て、自立していく心の成長の「過程」がとにかく面白い。 人工知能との対比によって、かえって人間の心の部分が赤裸々になって、朔也の人生を一緒に生きたような読み応えがあった。
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実家への帰省前後で本や母との向き合い方が大きく変化した。 例えば、朔也の母は自然死の理由に関して以下のようなことを朔也に話す。 「もう十分に生きたから。」「何にも不満はない。今はすごく幸せなの。」 実家に帰省した際に、母親も「今がいちばん幸せ。」「大変な経験もしてきて平穏のありが...
実家への帰省前後で本や母との向き合い方が大きく変化した。 例えば、朔也の母は自然死の理由に関して以下のようなことを朔也に話す。 「もう十分に生きたから。」「何にも不満はない。今はすごく幸せなの。」 実家に帰省した際に、母親も「今がいちばん幸せ。」「大変な経験もしてきて平穏のありがたさがよく分かる。」「もう歳だし、やりたいと思ったことは今やるようにしているの。」「長く生きるということが正解だと思わない。認知症や介護が必要になると周りが大変。」という死を覚悟しているような発言が帰省するたびに増え、寂しく大きな不安を感じる。 母は58歳でまだまだ死を意識するには若いと思う。ただ、母の両親も58歳、60歳と若くに亡くなっており、さらに母もがんを2度患っており現在もがんの再発防止のための治療薬を飲んでいる。そういった中、死について考えるのは母にとっては自然なのかもしれない。今年は薬の副作用で体調を崩し、毎年恒例の親戚の集まりにも来ることができなかった。 母は以前がんになった際に、私の卒業式など人生の節目を見るために治療を頑張ってきたと話していた。私という存在、私の人生というのが母にとっての希望だったのだ。だからこそ、私は就職、結婚など未来への希望を持って取り組まなければならない。そして、母に希望をもちまだまだ生きてもらうことを望む。また、母が私を希望と思うのと同様に、私にとっても母の存在というのが希望になっているのだ。 だからこそ、朔也の自然死をしたいと思う母親を止める気持ちがとても分かる。少しでも長く生きていてほしいと望んでしまう。 また、この本でも死んだら宇宙の一部になる話が取り上げられていた。以前私自身、私という人間を構成している元素は、死んでも粒子として宇宙の一部となることに感動を覚えた。よく宗教でも輪廻転生のような話はあるが実態がなく、人間の考え方によるものが大きいと考える。その点、粒子として宇宙の一部になるという点においては、実態があり、その上で死んだとしても自分という存在が亡くなるわけではなく、残り続ける点にロマンを感じる。
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