1,800円以上の注文で送料無料

スモールワールズ
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍

スモールワールズ

一穂ミチ(著者)

追加する に追加する

スモールワールズ

定価 ¥1,650

605 定価より1,045円(63%)おトク

獲得ポイント5P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

7/7(日)~7/12(金)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2021/04/22
JAN 9784065222690

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

7/7(日)~7/12(金)

スモールワールズ

¥605

商品レビュー

4

742件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブクログのおすすめに出てきて気になったので読んでみた。 連作小説なので、ストーリーの中で作品がリンクしていく。どれも短編として切り取って読んでも綺麗に完結する話だが、ストーリーが上手く交差しているので、同じ世界で同じ時間軸を生きていると理解させられる。それぞれの家庭が、それぞれの秘密を抱えながら、社会に溶け込んでいる。この作者さんはその描写が上手い。また読み返したいし、他の作品も是非読んでみたい。 ネオンテトラ 不妊に悩む美和が、父親から虐待を受けている笙一を気にかける。笙一は姪の有紗の中学の同級生。美和が次第に笙一に恋愛感情を抱くようになるのかと思ったが、好きと思っているわけではないと読み手側に何度も釘を刺してくる。そうした感情とはまた別に笙一の子供を欲しいと思うところが気色悪い。有紗と笙一が自分の家で事に及んでいることに美和が気付いても何も言わず、有紗が妊娠して子供を産んだら取り上げて自分の子供として育てているのがグロテスクすぎた。育てていたネオンテトラをトイレに流すシーンも冷酷。子供を持った途端に切り替わるところが恐ろしい。 魔王の帰還 ネオンテトラを読んで後味悪い系の話がずっと続くのかと思いきや、スカッとする話だった。188センチの姉、でかい。名前は真央であだ名は魔王。コッテコテの岡山弁で尚更いかつい。なのに死んだ金魚に手を合わせる優しさを持ち合わせている。菜々子を冷やかす子供達にも容赦なくビシッと叱る。そこにシビれる!あこがれるゥ!こんな姉みたいな人になりたい。 ピクニック 序盤でほのぼの幸せストーリーと思ったら、生後10ヶ月の未希が死んで一変。希和子が警察に連行され、瑛里子は妹(真希)がいたが生後6ヶ月で亡くなっていたことを知る。真希を亡くし存在を無かった事にした希和子と、未希のことを忘れたくないと思う瑛里子は対照的。瑛里子は第二子の真実(まみ)を授かり、なんやかんやで母子仲直り!チャンチャン!かと思ったが、最後に読者にのみ明かされる真実によって地獄に叩き落とされる。真希は幼かった瑛里子が覆い被さって窒息死、医者だった父により死因は書き換えられ、その父は自滅のような死(飲酒運転による事故死)を遂げる。希和子は辛い記憶に蓋をするが、ある日、未希の姿に真希を重ねてしまい、無意識のうちに殺してしまう。「誰も悪くありません。真実とお母さんを、絶対にふたりきりにしないで。お母さんの中に眠っているものを二度と起こさないようにして。」というラストが怖い。 花うた 受刑者・被害者家族・弁護士の手紙のやりとり形式で話が進行する。初めは名前が向井深雪で、次の手紙では新堂深雪になっている。兄を死なせた受刑者の秋生の苗字も向井であれ?と思いながら読み進めた。2人が手紙を交わしていくうちに、お互いが心のやわらかい部分を曝け出し、色々な感情を抱きながらも受け止め合う様子は人間らしいと思った。秋生が書いた『どろぼうの男の子』の話のラストが優しくて泣きそうになった。 愛を適量 父の慎悟と娘でF to Mの佳澄(かすみ/よしずみ)の話。寂しいおじさんが突如転がり込んできた娘と生活しながら心を通わせていく。温泉旅行で慎悟が自分のモノをやれたらいいのになぁとぼやいた後、おっさんのなんかいらねえよ!と笑い飛ばす佳澄のシーンが微笑ましかった。その後、佳澄のために渡そうとしたお金が既に本人に奪われていたことが発覚した時はこちらまで悲しくなった。でも、佳澄のいう(慎悟の)自己満のために使われたくないから!っていう気持ちもわかる。最後は慎吾が過去に佳澄を突っぱねた事に対して謝り、佳澄も父が本当に自分のことを愛してくれていたことへの感謝の気持ちを伝えて終わる。ここで仲直りできたって思うのは安直すぎるかな?でも2人とも幸せになってほしい。 式日 飛び降りで死んだ父の葬儀に出てほしいと頼む後輩と、それに応える先輩の話。話の中では先輩の視点で語られ、後輩は名前で呼ばれることはないが、読んでいくとネオンテトラに出てくる笙一だとわかる。笙一は父から受けた(ときには母からも)虐待によりトラウマを抱えており、所々で痛々しい。父が自分の家を訪ねてきたあの時、ドアを開けていれば…と考えてしまうことを明かすシーンはかなり辛い。人が良すぎる気もするが、親のことを憎みきれない部分があるのがリアル。これからは幸せに生きてほしいと思うが、ネオンテトラで笙一がバイク事故で亡くなると分かってしまっているので、読者側も救われない。 魔王の帰還→ピクニック ニュースで報道されていた亡くなった赤ちゃんは未希 花うた→ピクニック 弁護士の伊佐利樹の父親は希和子の弁護士をしていた大樹 愛を適量→花うた 看護師の深雪の後輩は佳澄 ネオンテトラ→式日 父を亡くした後輩は笙一

Posted by ブクログ

2024/06/11

可愛らしい装丁に惹かれた。6編の短編が収められている。みんなそれぞれが何かを抱えていて、それでも生きていこうとする決意の上に成り立っているのが平凡で平坦に見える日常なのかもしれない。 『ネオンテトラ』 倫理的にどうなのかと思うような行動をとってしまう麻子。そうまでして、子どもが...

可愛らしい装丁に惹かれた。6編の短編が収められている。みんなそれぞれが何かを抱えていて、それでも生きていこうとする決意の上に成り立っているのが平凡で平坦に見える日常なのかもしれない。 『ネオンテトラ』 倫理的にどうなのかと思うような行動をとってしまう麻子。そうまでして、子どもが欲しいと願う女性の気持ち。それに寄り添えない不道徳な夫。 中学生の恋愛を利用した麻子は、人の道に外れたことをした。それでも、幸せなのか。汚いことをして手に入れたしあわせは、ほんとうの幸せと呼べるのだろうか。 『魔王の帰還』 個人的にはいちばんすきだった。 『ピクニック』 仮面家族を思わせる内容。ひとは穏やかな仮面のしたに、残酷な一面を携えているのだと思った。 『花うた』 自分の深いところを共有できたひととは親密な関係になってゆく。悲しい過去ほど、強固な絆となる。そして時を重ねてゆく。 『愛を適量』 LGBDの娘をもつ父と、娘の物語。心が温かくなった。適量って、相手にとっての適量。むずかしいなあ。 『式日』 なんとなく、『光のとこにいてね』に通じる内容だった。イヤホンをつけることが外界から自分を守る手段になってたとはなかなか新鮮な視点。イヤホンをはずしたときに、外の世界とつながる。 ネオンテトラを気に掛けた後輩は、美緒の本当の父親である少年。ここでつながるのか。 日常は、ちいさな世界の集まり。悲しいことだけじゃない。ちゃんと意味がある。そう思わせてくれた小説。

Posted by ブクログ

2024/06/02

6つの短編が少しずつ繋がっていて、世界って狭い、そしてその狭く小さな世界の中でいろいろな事が起きていると感じさせられる。 親子、兄弟姉妹、親戚、友人etc… 人と人との繋がりは様々。 その繋がりの中で日々いろいろな事が起きて… 不妊、虐待、闘病、殺人、LGBT… 描かれる内容も様...

6つの短編が少しずつ繋がっていて、世界って狭い、そしてその狭く小さな世界の中でいろいろな事が起きていると感じさせられる。 親子、兄弟姉妹、親戚、友人etc… 人と人との繋がりは様々。 その繋がりの中で日々いろいろな事が起きて… 不妊、虐待、闘病、殺人、LGBT… 描かれる内容も様々。 「ネオンテトラ」の夫婦の微妙な関係、姪と姪のクラスメイトとの交流 「王の帰還」の夫婦の愛情 「ピクニック」の母娘 「花うた」の被害者と加害者の交流 「愛を適量」の数年ぶりに再会した親子の交流 「式日」の先輩後輩のやりとり 「ネオンテトラ」と「王の帰還」が特に印象に残った。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品