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砂の家 角川文庫
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砂の家 角川文庫

堂場瞬一(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2021/02/25
JAN 9784041108857

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商品レビュー

2.9

18件のお客様レビュー

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2026/02/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

逆境から這い上がろうとする兄弟が別々に育って、20年後に再会した時は全く違った道を歩いていた。 解説では「砂の家」という題名から、名作「砂の器」を引いていた。 だが弟がいることで兄の生き方が際立っている、その足にもつれ込む弟が兄を暗闇に引き込もうとする。 題名からの連想だが、家族の罪が障害になって、そこから抜け出そうとする憐れは兄弟どちらにも重い鎖になっている。 読み始めで先の筋書きを追ってしまう癖で、この兄弟の生い立ちから未来を予想して読んだが思い通りに進んでいった。だが最後になって、思いも寄らない意外な方法で解決した。 父親が経営に行き詰って、一家心中の保険金で負債を弁済しようとした。母と妹が刺殺された直後に兄(浅野健人)が帰宅した。 健人が10歳の時だった。 4歳の弟(正俊)がドアをすり抜けて走り出てきて泣きながら階段に逃げ、転がり落ちて左足を折った。 兄は叔父夫婦に引き取られ、弟は九州の父の実家に行くところが祖父の具合が悪くなり施設に入った。 20年後兄は大手食品企業の末端でアルバイトをしていて、たまたま出会った社長に見込まれ、学費の援助を受けて大学を卒業した。聡明で真面目なところが気に入られ出世コースに乗る。彼は重い恩義を社長に尽くして返そうと決心していた。 社長あてに脅迫状が来る。チェーン店の海外進出を計画して交渉の折裏金を使ったらしい。会社には危機管理会社が付いていて社長は全面的に信頼していた。しかし担当者が乗り気でない。ことが決まればなんとかなると構えていた。 内々で済ますために健人が指定の場所に1000万を届ける。だが話はそれでは済まず社長の個人情報で3億円を要求された。 指定場所に行くと、隠し撮りをしたカメラに正俊に似た顔が写っていた。 ふらっと正俊が来た。出世と金の話をほのめかす。弟が可愛く可哀そうで小遣いを渡し励ましてきた。だが施設でも問題児で少年院にも入っていた。まっすぐ生きろと言ってみたが笑い飛ばして帰っていった。すでに父親は出所して九州の実家にいることも知っていた。 健人は社長の恩義に報いようと解決策を練る。車のナンバーや仲間のマンションを探し当てた。正俊が現れた時がその時だ。 社長は無理をするなというが彼は、任された仕事を果たさなくてはならない。 悲惨な生い立ちから壊れてしまい、兄に嫉妬する足の不自由な弟。 兄は恩を受けた社長を助けたいと一途に思い詰める。 社内の勢力争いも筋書き通りという展開で、業界の話もあまり深くない、正俊のいじけ方に対して真面目過ぎるくらいの健人が、少し作り物めいて重かった。 家族に恵まれなかった、家族によって前途の闇の中を歩かなければならなかった兄弟。 誠実に生きようとしても閉ざされている兄弟の哀感は理解できるものの何か作家の熱意についていけないところが残念だった。

Posted by ブクログ

2025/02/05

『砂の器』を数倍にした感じで、過去から逃れられない人たちが交錯してしまうストーリー。けっこう長かったなと思ってしまった…

Posted by ブクログ

2024/12/16

評価を付けるのは難しい作品だった。 緊迫する物語の合間に挟まれる、主人公と周りの人々の食事の描写が、登場人物たちが生きていることを感じさせた。またそのリアルな描写が読者の食欲をそそらせ、どこか現実離れした物語と読者をつなげているように感じた。「食べることは生きること。」食に全く興...

評価を付けるのは難しい作品だった。 緊迫する物語の合間に挟まれる、主人公と周りの人々の食事の描写が、登場人物たちが生きていることを感じさせた。またそのリアルな描写が読者の食欲をそそらせ、どこか現実離れした物語と読者をつなげているように感じた。「食べることは生きること。」食に全く興味がない人も一定数いる中で、主人公がそのタイプではなかったことは大きな救いだっただろう。 読み進めながら、砂の家というタイトルにはどんな意味が込められているのだろう?と考えていた。 もし砂でできた家で暮らしていたら、ざらざらしていて脆く、あまり希望は感じないだろう。しかし解説を読んで初めて、砂の家は意外と脆くなく、壊れても再構築しやすいという特性を知って、物語全体の見え方が少し変わった。 父親が人殺しという環境は同じ中で、主人公と弟・正俊の道を分けたものは何だったのだろう。弱った人間には手を差し伸べてくれる人がいる。ただそれがどんな種類の救いなのか、は運でしかない。日の当たらない道に引き込む人もいれば、日の当たる道に引き込んでくれる人もいる。それを冷静に判断する力をまだ若く、壮絶な経験をした彼らに求めるのは難しいかもしれない。

Posted by ブクログ

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