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キム 光文社古典新訳文庫
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キム 光文社古典新訳文庫

ラドヤード・キップリング(著者), 木村政則(訳者)

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キム 光文社古典新訳文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2020/12/09
JAN 9784334754365

キム

¥770

商品レビュー

3.6

6件のお客様レビュー

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2025/01/10

キプリングの『キム』は、インドを舞台にした少年のスパイ活動を描いた冒険小説として知られています。しかし、クロウリーがこの作品を重要な副読本として挙げたのには、深い理由がありました。 物語の中心には、主人公キムとチベット僧ラマの旅があります。ラマは仏陀が矢を射た場所から湧き出ると...

キプリングの『キム』は、インドを舞台にした少年のスパイ活動を描いた冒険小説として知られています。しかし、クロウリーがこの作品を重要な副読本として挙げたのには、深い理由がありました。 物語の中心には、主人公キムとチベット僧ラマの旅があります。ラマは仏陀が矢を射た場所から湧き出るという「河」を探し求めています。一方キムは、イギリスのスパイ組織が展開する「グレート・ゲーム」に参加していきます。一見異なるこの二つの探求は、実は深いところでつながっています。 キムの特異な点は、その「変容の才能」にあります。彼は状況に応じてヒンドゥー教徒、イスラム教徒、仏教徒など、様々な姿に変装します。この能力は単なるスパイ技術を超えて、東洋的な「無我」の体現とも読めます。同時に彼は、イギリス式の教育とラマからの東洋的な智慧という、二つの異なる学びの過程を経験していきます。 ラマとキムの関係性も興味深い意味を持ちます。キムは単なる少年の好奇心からではなく、ラマの「チェラ」(弟子)として師弟関係に入ります。この関係は、存在そのものの変容をもたらす場として機能していきます。 物語の舞台となるインドは、単なる異国的な背景以上の意味を持ちます。様々な宗教や思想が交錯するこの空間で、「車輪」のイメージが繰り返し現れます。これは仏教的な輪廻を示唆すると同時に、キムの内的な変容の過程とも重なっていきます。 特に印象的なのは、キムが熱病で倒れた後の回復過程です。「私は誰なのか」という彼の問いは、東洋的な自己探求の本質を突いています。ラマが最後に見出す「河」も、物理的な場所であると同時に、意識の特異な状態を象徴する空間として描かれます。 このように『キム』は、表層の冒険譚を超えて、東洋的な意識変容の過程を描いた作品として読むことができます。それはオリエンタリズムの限界を超えて、東洋の精神的伝統の本質に迫ろうとした試みだったのです。

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2024/08/25

社命により『百年の孤独』を読んでいるというおびーに対抗してジョセフラドヤード・キプリングの『キム』を読んでみました どのへんが対抗なのかは本好きならすぐわかりますよね ページ数がだいたい一緒とかじゃないですからね( ・`ω・´) はいはい『キム』ね 簡単に言うと、舞台は大英帝...

社命により『百年の孤独』を読んでいるというおびーに対抗してジョセフラドヤード・キプリングの『キム』を読んでみました どのへんが対抗なのかは本好きならすぐわかりますよね ページ数がだいたい一緒とかじゃないですからね( ・`ω・´) はいはい『キム』ね 簡単に言うと、舞台は大英帝国植民地時代のインド、両親を亡くしたアイリッシュ系イギリス人の少年キムはラホールの街でしたたかにそして自由に暮らしていましたが、ある日チベット仏教の老僧と出会い弟子になります 老僧の供として、聖なる川を探す旅に出ることになったキムを待っていたのは、壮大なる冒険の旅でした いやー、面白かったー まぁね、今の時代ちょっと眉をひそめる表現はそこかしこにあるんだけど、それはやっぱりちょっと脇に置いておこう 眉をひそめる時代になったのはひとつ人類の進歩でもあるわけだから、今はちょっと置いておこう なんか毎回書いてる気もするけど、やっぱり何百年も残る物語ってそれなりに面白いのよ 本作はほんともう老僧とキムのガンガンに深まる絆がもうね、尊いのよ キムの自由奔放なキャラクターが、より一層お師匠さまへの敬愛の情を際立たせるのよ なんかもう見習ってほしい 誰とは言わないが見習ってほしい もちろん、ぜんぜん分かんねポカーンってのも多いんだけど、やっぱり古典はいいね〜 次はドイツやで!対抗が続くw

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2024/04/16

イギリス人初のノーベル賞作家の代表作の一つ。児童書の『少年キム』というタイトルの方が有名かも知れない。 主人公のキムはイギリス人ですが、幼少期に両親が亡くなり、英領インドで英国人孤児として暮らしていました。日焼けして現地の言葉を巧みに話し、「みんなの友」と言われるほど周りに溶け...

イギリス人初のノーベル賞作家の代表作の一つ。児童書の『少年キム』というタイトルの方が有名かも知れない。 主人公のキムはイギリス人ですが、幼少期に両親が亡くなり、英領インドで英国人孤児として暮らしていました。日焼けして現地の言葉を巧みに話し、「みんなの友」と言われるほど周りに溶け込み親しまれていました。 ある日、チベットから「聖なる川」を探しにきた老僧の不思議な話しぶりに感化され、弟子として同行することに。キム自身も亡き父が予言した「緑野の赤い雄牛」を求めて旅立ちます。 と、ここまでが序盤で、ここから後は当時の世相を反映してか、ロシアの南下政策と対峙するイギリスの諜報活動の一翼を担う羽目になる話しが混在してきます。老僧と離れて諜報活動ができるように学校に入れられるあたりですね。そのことは後半に生きて来て、エンディングも上手くまとまっていますが、いかんせん話しが長すぎです。 ただでさえ宗教や人種が入り乱れて語られてグッタリしているのに、あまりコレと言ったことも起こらない中盤でダレてしまいました。幾つか面白い場面もあっただけに、ちょっと残念かな。

Posted by ブクログ