汚れた手をそこで拭かない

芦沢央(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2020/09/26
• JAN: 9784163912608

商品レビュー

2025/01/03

『汚れた手をそこで拭かないで』という名前の短編集。どの作品も人間の暗い部分というか、光に当てたくない部分にスポットが当たっている。読み手がハラハラするような内容だった。
どの話も、登場人物の人間性に悪寒がしたし、救いのような主人公の変化というものがない。追い詰められる主人公に共感はしなかったが、ドラマを観ているような気分だった。

2024/12/31

Xで話題になっていたので手に取った本。
ちなみにタイトルの話はない。

ミステリの短編で、どれも、ああ、そうだったのかという仕掛けがあり面白かった。個人的にはプールの話が滑稽でおかしかった。あとは頑固な爺さん、アパートの住人、映画監督、元恋人の話など。

2024/11/26

どの話もゾクゾクする！
短編集。人の暗部がチラリと見える結末にどれもゾクっとする！ホラー並みの怖さ！
①理不尽な要求をする顧客が、脚立から落ちたのは事故？それとも、娘の陰謀？
②小学校のプールで、栓をするのを忘れて、水を出しっぱなしにしてしまった。10万を超える請求が来るかも知れず、あの手この手と言い訳を考えてるうちに、同僚に見つかり相談。その同僚は自身の競馬の損失を無かったことにするために…
③熱中症で死んだお隣さん。良き人と思っていたが、盗電が発覚。熱中症で死んだのは、あの時、ブレーカーが落ちたからか？
④起死回生の映画をお蔵入りにしたくないばかりに、大麻疑惑の俳優を転落死させる。その事実を隠す。しかし、それがきっかけで、嘘に嘘を重ねることになり…真の証言者を見つけた恐怖が…
⑤元カレがお金をせびられ、脅され…それも嫌だが、それに旦那が気づいた時の普通の態度がまた怖い。