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ラスト・ストーリーズ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
| 発売年月日 | 2020/08/09 |
| JAN | 9784336070326 |

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商品レビュー
4.8
6件のお客様レビュー
◆ピアノ教室の生徒 「今までの自分は夢見がちで相手の都合の良いところしか見てこなかったなぁ。不倫相手も手癖の悪い教え子もぶっ飛ばしてやれば良かったなぁ」と自分を振り返っている女性の物語と思えたら楽しい。 ◆カフェ・ダライアで 「自分を捨てた男が選んだ女は、いまの自分より幸せかど...
◆ピアノ教室の生徒 「今までの自分は夢見がちで相手の都合の良いところしか見てこなかったなぁ。不倫相手も手癖の悪い教え子もぶっ飛ばしてやれば良かったなぁ」と自分を振り返っている女性の物語と思えたら楽しい。 ◆カフェ・ダライアで 「自分を捨てた男が選んだ女は、いまの自分より幸せかどうか知りたい」という気持ちもアニタにはあったんじゃないか?というのは俗っぽすぎる見方なのかな。 それより一番気になったのはこの箇所。 『……評判が高いのはアップルタルトで、わざわざフランス語で<タルト・オ・シトロン>と呼ばれている』 タルト・オ・シトロンはレモンケーキらしい。なぜアップルタルト??
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○図書館より。 ○サリンジャーやカーヴァーに似た読み口の作家を探していて、トレヴァー作品に行き当たった。彼の作品は何冊か読んできたが、これが一番好きかもしれない。 ○装丁のデザインも良い。細いストライプ模様が表紙にも遊び紙にも入っていて、ストイックで整然とした作品世界の雰囲気がに...
○図書館より。 ○サリンジャーやカーヴァーに似た読み口の作家を探していて、トレヴァー作品に行き当たった。彼の作品は何冊か読んできたが、これが一番好きかもしれない。 ○装丁のデザインも良い。細いストライプ模様が表紙にも遊び紙にも入っていて、ストイックで整然とした作品世界の雰囲気がにじみ出ている。 ○晩年の作品を集めた短編集らしく、作風に円熟が加わり、静かで抑制された作風に磨きがかかっている。
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『彼らはどこにいるときでも制度には引っかからないようにした。制度という単語は知らなかったので、そう呼んでいたわけではないけれど、たとえ一時的であってもそいつの中へ迷い込んだり、そいつを受け入れてしまったが最後、自分たちの自由を手放すことになるのがわかっていたからである。さしあたっ...
『彼らはどこにいるときでも制度には引っかからないようにした。制度という単語は知らなかったので、そう呼んでいたわけではないけれど、たとえ一時的であってもそいつの中へ迷い込んだり、そいつを受け入れてしまったが最後、自分たちの自由を手放すことになるのがわかっていたからである。さしあたって生き延びさえすれば、未知の生き方にきっとどこかで出会えるだろう、と彼らは考えていた』―『足の不自由な男』 一つひとつ、短いけれど、過不足の無い物語が紡がれている。どの話にも幸福感に満ちた人々は登場せず、主人公たちは秘めた思いに囚われながらも日々の些事に身を委ねている。何故ならそれが生きるということの本質だから。生きるということには大袈裟な目的や意義が必ずしもある訳ではなく、生活を営むこと自体に真剣にならざるを得ないのだから。だが心に刺さった棘の痛みがその必死さで消える訳ではない。そんなごく当たり前のことが短い文章の中にきっちりと書き記されている。大袈裟過ぎず、過分に感傷的にもならず。 だが、そんな人生の本質を取り出してみると、どれもこれも悲哀に満ちた物語となるのは何故だろう。そこに、悲しみこそが人間として最も大切な感情なのだとするウィリアム・トレヴァーの教えがあるように思う。悲しみの中には、絶望があり、怒りがあり、時には良き日々の思い出の余韻すらあるのだ、と。それらはいつか過ぎ去っていくが、悲しみという感情のしこりは無くならないのだ、と。 「長めの訳者あとがき」によれば本書は作家の遺稿を元に編まれたものだという。しかも作家が死後に出版されるべき短篇を自ら選んで残したもののようだとも。そう言われてみれば、死や不在によって封じられ、葬り去られるというのが強過ぎる表現ならば忘れ去られていく、ちょっとした人生の悲しみや秘された事柄が並んでいるようでもある。だとすれば作家には待ち望んでいた読者に対する遺言にも似た思いがあったのだろうと想像を膨らませたくなる。そして、想定された読者をそんな物語を好んで読みたい気分にさせるのは北海の冬の寒さなのだろうか、あるいは老いへの漠然とした思いなのだろうか(だとすれば本書は読者を選ぶことになるだろう)と、ふと思う。
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