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海馬の尻尾 光文社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 2020/08/06 |
| JAN | 9784334790653 |
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海馬の尻尾
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商品レビュー
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20件のお客様レビュー
二度目の原発事故が起きた日本の二年後。どん底に落ちた社会。広範囲にわたって、避難が余儀なくされる。原発事故は実はテロ活動によるものだった。日本全体に恐怖が覆い、何もかも沈滞している。自衛隊は、自国防衛隊となって、テロ活動を阻止する。「特定秘密メディア規制法」が成立している。 ...
二度目の原発事故が起きた日本の二年後。どん底に落ちた社会。広範囲にわたって、避難が余儀なくされる。原発事故は実はテロ活動によるものだった。日本全体に恐怖が覆い、何もかも沈滞している。自衛隊は、自国防衛隊となって、テロ活動を阻止する。「特定秘密メディア規制法」が成立している。 主人公、及川頼也は、20代後半。幼少時から母親のネグレクトと義父による暴力を受けていた。16歳の時に義父を金属バットで殴り少年院に入った。3年前に二度目の服役を終えたヤクザ。仕事は組の管轄の店の見回り、店長や店の人間に気合を入れる。腕っぷしは強いし、怖いものはない、背中には観音様の彫り物がある。 ある日、ぼったくりバーでいざこざを起こした。イライラしていたのだ。過剰に暴力を振るう。 酒が手放せない。夕方から呑み、顔色も悪い。カシラに呼ばれて、病院に行ってこいと諭される。 行った大学病院の精神科は、アルコール中毒を治すためだった。この大学病院の理事長と組長は、病院の建設用地がらみの繋がりがある。 及川頼也は「嘘は昔からつき慣れている。あんまり嘘ばかりついてきたから、最近は自分でも自分の言葉がどこまで本当か嘘かも見分けがつかないくらい」の状態だった。 病院で、アルコール依存症の治療だと思っていたが、どうも違う方向での診察だった。さまざまな検査をされて、いろいろなVR画面をゴーグルで見せられ、脳を画像に撮られた。それで、入院を勧められる。 病院の待合室にいる及川頼也に懐いたのが藍沢梨帆。本来及川頼也はガキは嫌いだった。「おじちゃん、雨が好き?」とか、「オムライスが好き?」と聞いてくる。梨帆は七歳でウイリアムズ症候群だった。共感力が強すぎて、恐怖心がない。及川頼也と真反対なのだ。 桐島教授が担当。及川頼也は、脳の説明を受ける。前頭前野は、思考や創造性を担う脳の中枢。この領域が正しく活動していない。診断結果として、反社会性パーソナリティ障害だと診断される。他者に対する共感力の欠如、感情的情報の処理不全、自身の過ちから学ぶ能力の欠如、爬虫類的な快楽を抑えられない脳の障害であると言われる。脳の海馬の尻尾の部分(扁桃体)が欠損し、恐怖を感じない。「良心がない」と言われる。また、人に共感することもできない。及川頼也は「良心なんて何の役にも立たねえ。良心がない。だからどうしたっていうんだ。上等だ」とつぶやく。 対立する暴力団の抗争があり、襲ってきた組の二人を処理する。それが火ダネになって、抗争が起こり警察のガサ入れがありそうだとカシラはいい、逃げろと言われて、及川頼也は、病院の8週間の治療プログラムを受ける。そこは、国家プロジェクトがPTSDを改善する薬品を開発する秘密実験病棟だった。及川頼也は、開発された薬品の実験体だった。及川頼也の脳は、変わるのか?その病棟で、脳に欠陥がある患者と接触する及川頼也。次第に、何が問題かがわかってくる。 桐島教授の開発している新薬は、恐怖を恐れないこと、過去の出来事を忘れる薬だった。自衛隊員が、怖くて戦えない状況や戦争での恐れをなくすための特殊な薬だった。 そういう中で、及川頼也は、曽於の企みを見抜き、実験材料にされている梨帆を救うのだった。 それにしても、歯止めの効かないほどの暴力的男の及川頼也が、可愛い少女の存在で、大きく変化していくのが面白い。また、脳の機能について、説明があるので、わかりやすい。脳の見える化をしている。この及川頼也の破天荒な戦いぶりとセリフは、実にいいのだ。本当の悪は誰なのか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最後に、「いやー…マジかー」と声が出た。ヤクザの世界から精神科病棟内と、普段知ることのない”禁断の”世界が本の厚さ分しっかりと描かれており、全く息つかせない展開で1ページも退屈しなかった。 まさかこんなキャラクターに感情移入するとは思わなかったけど、幸せになってほしかったと心から思った。
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いつもの荻原のように調子よくページは進む。自分ではどうしようもなかった不運の中で懸命に生きる人々の、善性を丹念に描くのが荻原のやり方。だが、ストーリーには何の救いもないのがつらい。
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