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百年泥 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/07/29 |
JAN | 9784101021713 |
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百年泥
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商品レビュー
3.9
16件のお客様レビュー
第158回芥川賞受賞作。百年に一度の洪水で泥の山となった橋を会社を目指して渡り始めると物語は次第に現実から不条理な世界へと入って行く。インドという未だ日本人にはどこかな捉えどころのない異国情緒も相まって不思議な作品。
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ファンタジーなのか、と前情報なく読んでいたのでリアルとその境界線が絶妙に構築されていてなるほど、と思った。 構成力と設定の素晴らしさ。 その想像力と点と点とを結んでいく感じ。 唯一無二の作品であると思った。
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この本に出てくる主人公と場所は違えど同じ職業をしている身として、彼女の日本語を教える教室での心労が手に取るようにわかるのだけど、この本の本筋はそこにはなく、インドという国とそこの考えに全く馴染みのない自分でも、そこにある宗教的というか土着的というか、そういう世界観の深さを垣間見る...
この本に出てくる主人公と場所は違えど同じ職業をしている身として、彼女の日本語を教える教室での心労が手に取るようにわかるのだけど、この本の本筋はそこにはなく、インドという国とそこの考えに全く馴染みのない自分でも、そこにある宗教的というか土着的というか、そういう世界観の深さを垣間見ることができる話だった。 百年泥から湧き上がってくる記憶とも過去ともつかない幻想的な物事の中で、主人公と主人公を悩ませる生徒の過去が一際色鮮やかに語られて、そこに何があるという訳もなく、ただ彼らが今どうして彼らであるのかがわかっていく話。橋を渡り始めてから渡り終わるまでに、主人公と学生がこの企業の一教室で出会ったことの不思議というものを体感させらる。 この本の中で一番好きだったフレーズは、『世界はただ受け、おしみなく返事をする』だった。砂浜を歩く主人公の母親が感じた安心、生きているという感触を、こよ一文からひしひしと感じた。
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