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日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 ハヤカワ文庫JA
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日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 ハヤカワ文庫JA

アンソロジー(著者), 新城カズマ(著者), 中井紀夫(著者), 高野史緒(著者), 円城塔(著者), 藤田雅矢(著者), 和田毅(著者), 大樹連司(著者), 扇智史(著者), 小田雅久仁(著者), 伴名練(編者)

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日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 ハヤカワ文庫JA

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2020/07/16
JAN 9784150314408

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日本SFの臨界点[恋愛篇]

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2025/05/04

伴野練編集のSF9作品収録の「日本SFの臨界点[恋愛編]」。 各短編の前の著者紹介が濃いので、どれだけの熱量でこの本を認めたのかが知れるというものです。好きが高じて、の「高じて」を何度も何度も重ねないと届かないと思います。 「死んだ恋人からの手紙」 シンプルに希望と絶望が混交し...

伴野練編集のSF9作品収録の「日本SFの臨界点[恋愛編]」。 各短編の前の著者紹介が濃いので、どれだけの熱量でこの本を認めたのかが知れるというものです。好きが高じて、の「高じて」を何度も何度も重ねないと届かないと思います。 「死んだ恋人からの手紙」 シンプルに希望と絶望が混交しているのがつらい。恋愛というテーマで集められた短編集なので、悲恋になるのでしょう。手紙を待つ女性が、あくび金魚姫という呼び方で提示されていますが、恋人の印象でそう呼ばれているので、どんな女性かの最終判断は読者にゆだねられている部分があるのが、余計に残酷さを増していると思います。手紙だけで構成されているので、受け取った感情は自分と金魚姫が同一になってしまうのがよろしくない。いや、いいんだけど感情としてはつらいです。すんなりとこの小説の世界に入り込めてしまった、と気づいた時には金魚姫と同一化してしまっていましたね。 「アトラクタの奏でる音楽」 初出は2013年ですが、2025年の現在でも近未来SFで一番実現性が高いのかな、と思える作品でした。理解不能なものを理解可能に紐解こうとする試みの中で予想外のムーブが巻き起こっていく、というのは何が起こるのかという高揚感とそこに待っているであろう不穏と不安、そして一連の出来事の終着点に落ち着いた時の安堵と脱力感。疾走感でないけど、読ませるスピード感が強かったです。 友情か恋愛かと言われると、そのライン上を行ったりきたりしている雰囲気で、対人間でなく彼女たちが今現在、一番唆られているモノの関してが恋愛みたいなモノなのでしょうね。 心に残った2作品。「劇画・セカイ系」「G戦上のアリア」も好きです。 こういうアンソロジー作品や短編集には必ずといっていいほど名前が上がる円城塔作品。やはり馴染むことができない。 読むたびに「また出会ったな円城塔、今度こそ馴染んでやるページをめくる手が止まらない、という感覚を味わってやるぜ」と意気込んで読むのですが、立ち止まってしまう。相性というものがあるんでしょうな。

Posted by ブクログ

2025/02/09

なるほど「臨界点」ね。日本SFが積み上げてきた結晶のようなモノ?ここからどう変化していくのか楽しみではある。 こんなレベルのSF作家がゴロゴロ国内にいるのだなあと思うと、物書きになろうだなんてちょっとでも考えたことのある自分が恥ずかしくなってしまう。 どれも高いレベルの短編で、...

なるほど「臨界点」ね。日本SFが積み上げてきた結晶のようなモノ?ここからどう変化していくのか楽しみではある。 こんなレベルのSF作家がゴロゴロ国内にいるのだなあと思うと、物書きになろうだなんてちょっとでも考えたことのある自分が恥ずかしくなってしまう。 どれも高いレベルの短編で、世界線も文章のタッチもテーマも多様だし、面白かった。「ムーンサンシャイン」は難解だったけど… 登場人物が日本人じゃなかったり舞台が日本じゃないのは、やはり敢えてだね。分かる。 好みだけで一番を選ぶとすれば「奇跡の石」かな。ファンタジーっぽいのが好きなんだと思う。 「アトラクタの奏でる音楽」もスピード感と読後感が良かった。 次は、編者の方の作品を読んでみよう。

Posted by ブクログ

2024/09/19

恋愛(だけに限らず人のつながりも)主軸に置いたSF愛の塊とも言えるSFアンソロジー。 怪奇編を随分前に読んだが、恋愛編も良い作品が多く大変楽しめた。 読んでいて思ったのは私自身が歴史改変ものが好きだということ。知る歴史ベースにSFの世界になっていくことで想像がしやすく、私のような...

恋愛(だけに限らず人のつながりも)主軸に置いたSF愛の塊とも言えるSFアンソロジー。 怪奇編を随分前に読んだが、恋愛編も良い作品が多く大変楽しめた。 読んでいて思ったのは私自身が歴史改変ものが好きだということ。知る歴史ベースにSFの世界になっていくことで想像がしやすく、私のようなSFはたまに読みますくらいの人にとっつきやすいのかもしれない。選出はマニアックなのだろうが、だからこそ新たな出会いがあるのがこういったアンソロジーの良いところだ。G線上のアリアが私には刺さっていた。 本書の後書きでは怪奇編同様アンソロジーガイドもある。さらなる出会いを求めてそれらを読むのも良さそうだ。

Posted by ブクログ