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コーヒームーン(1)
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牡丹もちと(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2020/06/26
JAN 9784049132984

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2022/01/08

ほんの少しだけダークな日常モノ。けど、本作で指している『日常』が何であるかを考えていくと、これをダークとかコメディとか簡単に表現してしまうのは勿体ないと思えてしまうね 同じ一日を1000回以上繰り返していたピエタ。つまり本作はループモノとなるわけだけど、ループに囚われた悲壮感...

ほんの少しだけダークな日常モノ。けど、本作で指している『日常』が何であるかを考えていくと、これをダークとかコメディとか簡単に表現してしまうのは勿体ないと思えてしまうね 同じ一日を1000回以上繰り返していたピエタ。つまり本作はループモノとなるわけだけど、ループに囚われた悲壮感をピエタに見ることは出来ないね いつもどおりの雨、いつもどおりの授業、いつもどおりの誕生日。そんな行為を何度も繰り返していればおかしくなって全てのループを崩壊させようとしたっておかしくない。でも、ピエタは自分にとっては何度も繰り返した一日であっても、相手にとっては初めてだからとそれを崩さぬようにと繰り返し続けるのか それは自己満足なのか他者満足なのか。変化を辞めた事で変化なんて起こらない筈だった「今日」。それがダナエロもループに混じった事でピエタが想定していなかった変化を含み始めるのは面白いね 事態打開の鍵としてダナエロが考案した「昨日と違うこと」、これによってループの中に閉じこもっていたピエタの一日が異なる彩りを持つように……と、そんな単純な構図になっていないのはダーク感に溢れている 「昨日と違うこと」を繰り返しても「今日」は終わらなかった。それでも、いつもと違う「今日」に繋がったのは確かなんだよね 「今日」を変えたのは「昨日と違うこと」ではなく、ダナエロの闖入であり、それによって生じたキアロとの繋がりであり、それらによって更に異なる要素が「今日」の中で出現していく そういった連鎖に拠ってピエタの「今日」があっという間に変わっていく様子は面白い ピエタはキアロとどう向き合っていくかという課題が生じたわけだけど、ピエタはダナエロが口から出任せに放った友達になりたいを実行するんだね… 銃撃、権力。そういったノイズに誤魔化されずキアロの目を見て彼女が本当に欲しているものは何かを読み取り行動に移したピエタ。明日になったらキアロの中には何も残らず、またいつもどおりの「今日」が始まってしまう。それでも友達になりたいとピエタは言った。それこそが「今日」を変える最後のピースだったように思えてしまう 自分だけが幸せだった「今日」を超えてピエタはキアロの幸せを手に入れられるのだろうか?

Posted by ブクログ

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