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ホワイトラビット 新潮文庫
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ホワイトラビット 新潮文庫

伊坂幸太郎(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2020/06/24
JAN 9784101250328

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ホワイトラビット

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商品レビュー

3.9

622件のお客様レビュー

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2026/01/06

三人称全知視点の語り手は、『レ・ミゼラブル』の"変な"語りの如く、時折物語の枠を超えて私たちに語りかけてくる(喋りかけてくると言った方が適切かもしれない)。この語り手が全てを支配していると言っても過言ではない。登場人物の胸中を明かすだけでなく、読者の考えまで言...

三人称全知視点の語り手は、『レ・ミゼラブル』の"変な"語りの如く、時折物語の枠を超えて私たちに語りかけてくる(喋りかけてくると言った方が適切かもしれない)。この語り手が全てを支配していると言っても過言ではない。登場人物の胸中を明かすだけでなく、読者の考えまで言い当ててくるのだ。だが、煩わしくなく、むしろ心地いい。初めてのタイプの語り手で、いい読書体験となった。 もちろん、ストーリーも超おもしろい。「伊坂幸太郎すげえー」となりました。

Posted by ブクログ

2026/01/04

スラスラ読めた。 読みながら作者に弄ばれているような感覚。 遊び心ある地の文章に導かれるまま読み進めていくと、途中から物語を土台からひっくり返すような事を軽々しく告げてくるのだから面白い。 人物の詳細な描写に重きを置いていないであろうことから一部どんな人間なのか想像がつかないまま...

スラスラ読めた。 読みながら作者に弄ばれているような感覚。 遊び心ある地の文章に導かれるまま読み進めていくと、途中から物語を土台からひっくり返すような事を軽々しく告げてくるのだから面白い。 人物の詳細な描写に重きを置いていないであろうことから一部どんな人間なのか想像がつかないままのキャラクターもいたけれどそれも味に感じられた。 どこかフワフワした雰囲気のまま最後まで軽快に本格的なミステリーが展開される。 まあ実際そんな上手くいかないだろうと冷静に考えると思うこともあるのだけどそれもこの小説の雰囲気の中でなら許される感覚があった。

Posted by ブクログ

2026/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊坂幸太郎さんの『ホワイト・ラビット』です。 デビュー25周年を記念したリミテッドエディションのカバーをつけた文庫本が出ていたのでそれを読んでみました。2026年の最初の本でした。 兎田孝則は、誘拐をビジネスとする犯罪組織に所属する末端の構成員として働いていました。ある日、孝則の新妻・綿子が何者かに誘拐されてしまいます。組織のボスである稲葉は、綿子を無事に取り戻すための条件として、組織の金を奪って逃げた折尾豊生け捕りにするよう孝則に命じます。孝則は妻を助けるため、その任務を受けます。 孝則は折尾が中学時代を過ごしたという宮城県仙台市へ向かい、仙台駅で折尾と鉢合わせしますが、折尾に反撃されて逃してしまいます。孝則は折尾のバッグにGPS発信機を仕込むことだけ成功させ、それを手掛かりに居場所を追跡していきます。 GPSの位置情報が示したのは、仙台市内の高台にある高級住宅街「ノースタウン」です。孝則は、玄関の鍵が開いていた一軒家に入り、2階のベッドの下で折尾の遺体を発見します。 家の中には、路上で折尾と口論の末に誤って折尾を死なせてしまった青年・勇介と、偶然空き巣に入っていた黒澤という男がいました。黒澤はその場にいた人物です。 時間が迫る中、黒澤はテレビ・警察を巻き込む白兎作戦を提案します。これは、折尾の遺体の場所をあえて「人質立てこもり事件」としてマスコミに流し、テレビニュースで中継させることで、稲葉たちにも孝則が自由に動けない状況であることを印象付ける計画です。計画通りに、「ノースタウンで立てこもりが発生した」と公安へ通報が入り、宮城県警の特殊事件捜査隊(SIT)が出動します。 ただし、立てこもりを起こしたのは、勇介たちの隣の家で、黒澤の依頼で黒澤の友人の今村と中村が狂言の立てこもり事件を起こしています。 今村と中村は折尾を連れてくるように警察に要求します。黒澤が折尾に成りすまして警察に連れられてきます。黒澤は警察の要求に応じて犯人と接触する代わりに稲葉の携帯番号の逆探知を警察に依頼します。 SITの隊長・夏之目は、ノースタウン一帯に避難命令を出し、隊員たちが立てこもり現場を取り囲んでいます。今村と中村は電話越しに夏之目と交渉を行い、同時にテレビ局にも連絡を取り、事件が実況中継されているようにします。稲葉は仙台港の倉庫で人質の綿子を見張りつつ、中継されている放送を見ていました。稲葉は孝則に折尾の場所を探すよう強く圧力をかけますが、実際には折尾はすでに死んでいて、逆に警察を通じて自分の居場所が逆探知されていることに気づいていませんでした。今村と中村は黒澤の指示に従い、折尾の遺体を2階のベランダから落とします。 隊員たちは立てこもり犯が2階から飛び降りたと勘違いしたため、家屋内へ突入します。今村と中村は事前に用意しておいた機動隊員の制服に着替えることで無数の隊員に紛れ、混乱の中でその場から脱出します。二人は通りがかったタクシーを止め、仙台港へと向かいます。 その後、SITの夏之目はそのタクシーを不審に思い追跡します。心配した黒澤も一緒です。夏之目は車内で、交通事故で亡くなった妻と娘のことを思い出し、かつての因縁(事故原因となった占い師)と向き合う決意を固めます。倉庫では夏之目たちが稲葉たちの一味を制圧し、兎田夫妻(孝則と綿子)を保護しますが、黒澤の姿は既に消えていました。 「白兎事件」が社会を騒がせてから3ヶ月後、黒澤は仙台市泉中央駅の地下鉄で降り立ちます。 駅構内のキオスクに並んだ新聞の一面には、夏之目が過去に犯した殺人事件に関する記事が掲載されていました。黒澤はキオスクで新聞を手にしようとし、前を通る別の店員が「綿子さん、そろそろ交替ね」と声を掛けるのを耳にします。黒澤のこの行動が、物語のラストシーンとして描かれています。 伊坂幸太郎さんの話らしく、物語を時系列に沿って解釈する必要があって、読み返して理解するのが大変です。 そんな中にも、しんみりとした人間の味わいや悲しさを入れてくるのが伊坂さんの話の魅力なのでしょう。 影の主役はSTIの夏之目さん。話の途中で出てくる事故で奥様と娘を亡くした彼の述懐がとても目を引きます。 「足元には摘むべき花が、天井には娘と指差すことのできる星があるかのようだった」 タイトルであるホワイトラビットの意味がよくわかりませんでした。意味を求めてインターネットで検索してみると、因幡の白兎が出てきますが、転じて、「治癒・再生: 傷や病気を癒し、新たなスタートを切る象徴。」と言った意味があるそうです。 家族を失った夏之目さんの転機にもなった、という隠喩を込めているような気がします。

Posted by ブクログ