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絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日経BPM |
| 発売年月日 | 2020/05/13 |
| JAN | 9784532358532 |

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絶望を希望に変える経済学
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商品レビュー
4.2
35件のお客様レビュー
絶望を希望に変える、、、とは、大きくでたなー、と手に取った本。 なるほど、この大口のタイトルに負けない話、経済学者は言いそうにない(と勝手に思い込んでいた?)話もいろいろ書かれていた。 最初に、移民と貿易の話からはじまる。 そして、人間は経済合理性通りに動かない、それは、今まで...
絶望を希望に変える、、、とは、大きくでたなー、と手に取った本。 なるほど、この大口のタイトルに負けない話、経済学者は言いそうにない(と勝手に思い込んでいた?)話もいろいろ書かれていた。 最初に、移民と貿易の話からはじまる。 そして、人間は経済合理性通りに動かない、それは、今までのデータから明らかことなのだと。 でも、だから賢く経済合理性に沿った行動をすべきだ、ではなく、そういう人間の在り方を受け止めた上で、経済で傷ついている人の尊厳を守りながら方向転換する術はないか、という本なのかな、と受け止めました。 経済学といえば、アメリカ、アメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、のイメージだけど、インド(筆者の一人のルーツ)の視点が入ることで、グッと多様性を包摂している感じがする。 若い人はもちろん、いい年した大人やそして高齢者であっても、これから出会う未来に、それぞれの希望を持てたらいいな、と思う。
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貧困に陥った人は、能力主義な世界では自分に能力がないからと自己嫌悪に陥ってしまう。しかし、データで示されている通り所得間の移動は固定的であり、頻繁に起きるものではない。だから、貧困に陥ってしまった人は、自分が生まれた境遇が原因であることが多い。だからこそ、社会は、彼らを見捨てず救...
貧困に陥った人は、能力主義な世界では自分に能力がないからと自己嫌悪に陥ってしまう。しかし、データで示されている通り所得間の移動は固定的であり、頻繁に起きるものではない。だから、貧困に陥ってしまった人は、自分が生まれた境遇が原因であることが多い。だからこそ、社会は、彼らを見捨てず救済しなければならない。しかしそれは金銭面だけではなく、人としての尊厳や生きがいを取り戻せるよう支援できるようなシステムが必要である。
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様々なデータを用いて、移民や貿易、教育、貧困国の成長、不平等といった事柄が、経済学とどのような相関関係を持っているか解説されている。でも経済学がそれらを簡単に解決してくれる魔法の杖なんかじゃなく、むしろいかに外れやすくて、あてにならない学問なのかを本書は示している。それはつまり、...
様々なデータを用いて、移民や貿易、教育、貧困国の成長、不平等といった事柄が、経済学とどのような相関関係を持っているか解説されている。でも経済学がそれらを簡単に解決してくれる魔法の杖なんかじゃなく、むしろいかに外れやすくて、あてにならない学問なのかを本書は示している。それはつまり、経済学を一般の人々の手に届かせるため、より建設的な対話をできるようにしようとする態度が反映された結果であり、まず「何がわかって、何がわからないのか」を明らかにしてから話を始める謙虚な姿勢には信頼を置けると感じた。 また、個人的に興味をそそられたのは「好きなもの・欲しいもの・必要なもの」の章で、伝統的な経済学がここではあまりあてはまらず、しかし差別と偏見の泥沼から脱する手がかりとなる分野でもあるため現在の経済学では研究対象とされやすいよう。 例えば、アメリカのある大学では、一年時にルームメイトがランダムで割り当てられる。この際、移民と同室になった白人学生は、自らルームメイトを選べる二年以降になってもマイノリティと進んで付き合うようになる傾向があることが確かめられているらしい。 何が正しいと考えるか、あるいは何を好きかと思うかも、置かれた状況によって案外簡単に変わるもの――そう認めると、人種、宗教、民族、女性などに対する差別と偏見の嵐が吹き荒れるいまの世界で、よりマシな方向へ進む道しるべが見えてくる。著者はそのための政策課題をいくつか提案しており、多くの人が感じているであろう怒りや喪失感をいくらかでも和らげようと実践的な試みを思い描く。 経済学は魔法の杖ではない。だから、つねにエピデンスを吟味し、問題を単純化せず、根気よく調べ、判明したことに誠実でいよう。議論を単純化することは、結局のところ、安直で見掛け倒しの解決に帰着するしかないのだからーー。 このように、本書では経済学にはわからないことが未だたくさんあり、だからこそ、より多くの人たちと問題を共有しようと呼びかけている。その注意深い態度こそが本書のもっとも信頼の置ける点だ。そしてこの視点が欠けている限り、絶望が希望に変わる可能性は見えないままなのだろう。
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