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最愛の子ども 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2020/05/08 |
JAN | 9784167914882 |
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
(2022年に投稿した感想を削除・修正のち再掲) この物語は「わたしたち」の箱庭。 高校生の「わたしたち」には、自我もあれば明晰な頭脳もある。男女併学の中高一貫校という環境に由来する、同級生との特別な連帯もある。しかし彼女たちは、家庭では娘、学校では女子生徒として不自由を強い...
(2022年に投稿した感想を削除・修正のち再掲) この物語は「わたしたち」の箱庭。 高校生の「わたしたち」には、自我もあれば明晰な頭脳もある。男女併学の中高一貫校という環境に由来する、同級生との特別な連帯もある。しかし彼女たちは、家庭では娘、学校では女子生徒として不自由を強いられ、あまつさえ世間からは「女子高生」として消費される憂き目に遭っている。だからこそ「わたしたち」は黙らない。日常生活を通して生ずる違和感・鬱屈・忿懣・好奇心・理想・信念など、ありたけの思いを〈ファミリー〉とその周辺の人間模様に投影し、饒舌に語りはじめる。登場人物の設定や言動、ストーリーの展開には急拵えの部分もあるが、そのぶん「わたしたち」の切実さが伝わる。 本を開く前に、個人的に関心の高かったテーマは次の三つ。1)現実の家族に対置される映し鏡であり、レジスタンスでもあるような疑似家族の形態 2)同性の高校生のあいだの親密な関係 3)女子校に特有の社会構造。いずれも細やかに描写されていたが、不満も残る。たとえば「わたしたち」という自意識は、その全体性と不定形性ゆえに個人を疎外しながら膨張していく危うさを孕むものの、そうしたネガティヴな側面を本人たちが自覚している様子はない。それどころか「わたしたち」は「解釈違い」ひとつ起こさぬまま、結末に向かうにつれて溶融の度合いを高めていく。同様に〈ファミリー〉と「わたしたち」以外のクラスメイトが捨象されている点や、「わたしたち」が自身の欲望にまったく無批判である点にも疑問を禁じえない。それらの欠落が作者の意図的なものか否か判断しがたいところで、ますます居心地が悪くなる。 ともあれ読者は「わたしたち」の語りに耳を傾けるしかない。それが一人称小説、とりわけ箱庭という構造を前面に打ち出した小説の強みだと実感した。
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こんな友達たちがいたら面白かったんだろうなと思う。学生時代って一つ一つが大ごとで友達同士とごちゃごちゃと言い合うのが楽しかったんだよなあ〜。 表現がいい意味で生々しく、秀逸で、世の中に疑問を持ちつつもまだちょっと未熟で、でもとても賢い女子高生たちの学生時代を覗いてる気分になった。...
こんな友達たちがいたら面白かったんだろうなと思う。学生時代って一つ一つが大ごとで友達同士とごちゃごちゃと言い合うのが楽しかったんだよなあ〜。 表現がいい意味で生々しく、秀逸で、世の中に疑問を持ちつつもまだちょっと未熟で、でもとても賢い女子高生たちの学生時代を覗いてる気分になった。 200ページちょっとだけど中身はとっても濃い作品でした。
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書評を読んで面白そうと思い購入した本。思春期の女の子たちの家族ごっこ…言葉にすると何とも幼稚っぽい行動のだけど、その「家族」に付随する当事者たちや「目撃者」たちの感情や欲望が淡々と描かれ、それがこの小説に不思議な魅力を与えている。
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