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猫を棄てる 父親について語るとき
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2020/04/23 |
| JAN | 9784163911939 |

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商品レビュー
3.7
248件のお客様レビュー
村上春樹さんのファミリーヒストリー。 父親とは亡くなる直前まで 疎遠状態だったことを淡々と書いている。 「今の若い世代の人々が、親たちの世代の神経を こまめに苛立たせ続けているように」 価値観の相違や、男同士であれば反発する ところもあったのだろう。父親と距離感、 確執について、...
村上春樹さんのファミリーヒストリー。 父親とは亡くなる直前まで 疎遠状態だったことを淡々と書いている。 「今の若い世代の人々が、親たちの世代の神経を こまめに苛立たせ続けているように」 価値観の相違や、男同士であれば反発する ところもあったのだろう。父親と距離感、 確執について、亡くなる直前に和解したとはいえ、春樹さん自身、父親のことを書くことで、 ずっと心に引っ掛かっていた思いを整理する ことが出来たのではないかと思う。 考え方、世界の見方は違っても、 僕らを繋ぐ縁ねようなものが、 一つの力を持って、僕の中で作用した。
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「おそらく僕らはみんな、それぞれの世代の空気を吸い込み、その固有の重力を背負って生きていくしかないのだろう。そしてその枠組みの傾向の中で成長していくしかないのだろう。良い悪いではなく、それが自然の成り立ちなのだ。」 猫を棄てに行った記憶。父親のこと。 幼少期のことや自分のルーツ...
「おそらく僕らはみんな、それぞれの世代の空気を吸い込み、その固有の重力を背負って生きていくしかないのだろう。そしてその枠組みの傾向の中で成長していくしかないのだろう。良い悪いではなく、それが自然の成り立ちなのだ。」 猫を棄てに行った記憶。父親のこと。 幼少期のことや自分のルーツを辿ると、より自分が見えてくる。根源にある感情やなぜか大事にしてる自分の嫌いなところ。 ふと思い出した記憶が、温度や湿度まで記憶していた時、私の中の大事な記憶なのかもと考えちゃう。
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父と一緒に猫を棄てに行って、自転車で帰ってきたら、その猫に出迎えられた。 本書にある、この不思議な話に近い体験を、案外と多くの人が持っているのじゃなかろうか。私事で恐縮だが、ずっと昔の高校の頃の話。学校前で友人と別れ、自転車を10分ぐらいかっとばし、赤信号に出くわしたので停止し...
父と一緒に猫を棄てに行って、自転車で帰ってきたら、その猫に出迎えられた。 本書にある、この不思議な話に近い体験を、案外と多くの人が持っているのじゃなかろうか。私事で恐縮だが、ずっと昔の高校の頃の話。学校前で友人と別れ、自転車を10分ぐらいかっとばし、赤信号に出くわしたので停止した。ふと横を見ると、その友人が立っていた。友人は徒歩であった。 その現象はいまだにきちんと説明できないが、自分では確かに体験したものとして受け入れている。でも人に伝える時は、リアリティを保つのにギリギリになってしまうような話だと思う。あるいは、信じられないが自分も似た体験をしたんだと打ち明けてくれる人が多いようにも思う。 『猫を捨てる 父親について語るとき』は、この手の話が冒頭にポンとあって、いやに共感しながら読んでしまった。リアリティがギリギリの話でも、分かる分かると読んでしまうのが村上作品の魅力である。いつもながら完読はあっという間であった。 本書は、『ねじまき鳥クロニクル』の著者本人による重要な解説書なのだと思う。ねじまき鳥が超常現象話ではなく確かな体験の重みのようなものを感じさせる理由は、本書を読んで若干ながら分かった気がした。 父の回想は、軍刀で人の首がはねられる残忍な光景は、言うまでもなく幼い僕の心に強烈に焼き付けられることになった。父の心に長いあいだ重くのしかかってきたものを息子である僕が部分的に承継した(本書引用) 著者は、父親のことを書くのにどんなところからどんな風に書き始めれば良いのかつかめなかったが猫を棄てに行った話を思い出したら自然に書けた、と記している。猫の話が、著者を父の戦時体験に連れ出している。 あのよく出てくる「井戸」は、猫だったんだなあ。
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