逆ソクラテス

伊坂幸太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2020/04/24
• JAN: 9784087717044

商品レビュー

2024/11/24

小学生の目線で書かれた人情短編集。

伊坂幸太郎が得意とする最後に全ての伏線を回収するという訳ではなかったが、面白く読めた。

ソクラテスは自分が何も知らないことを知っている。と言っていたので、逆ソクラテスは自分が何でも知っていると思っている人を指している。

ゴッドファーザーに出てくるドン・コルレオーネのセリフを真似する小学生の話が一番面白かった。

5つの短編それぞれ童心に帰れました。

2024/11/23

安斎自身は犯罪者の息子というレッテルを貼られ、決めつけられることに苦しみを抱いていたのかもしれない。そんな彼の考えこそが、「俺は、そうは、思わない」 1番の敵は、先入観。

ソクラテスの"無知の知"
自分が知らない事を知っている者。
その反対は、知らない事を知っていると勘違いしている者。勝手な決めつけ、先入観で人の善し悪しを決める者。

ここでのソクラテスとは安斎なのかもしれない。
有権者や裁判員に屈しないソクラテスのように、先生という小学生からしたら畏怖の対象に屈しず、自らの指針を大切にし立ち向かった安斎は重なるものがある。

短編集なのに短編集じゃない！
「アンスポーツマンライク」と「逆ワシントン」の繋がりには思わず鳥肌....。

2024/11/04

小学生が主人公の短編集。各話に教訓のような内容があり、大人になった今だからこそとても共感ができる。伊坂作品によくあるドキドキはないが、登場する大人達の行動が素敵で面白かった。