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歌え、葬られぬ者たちよ、歌え
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 作品社 |
| 発売年月日 | 2020/03/25 |
| JAN | 9784861828034 |

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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
全米図書賞を受賞した本作は、アメリカ文学の古典の影響がうかがい知れます。 まず、ノーベル賞作家トニ・モリスンの『ビラヴド』 奴隷制下のアメリカにおける黒人女性と、その家族の物語。彼女は、当時まだ幼かったビラヴドを自ら殺さねばならなかったが、その死んだはずのビラヴドは亡霊として登...
全米図書賞を受賞した本作は、アメリカ文学の古典の影響がうかがい知れます。 まず、ノーベル賞作家トニ・モリスンの『ビラヴド』 奴隷制下のアメリカにおける黒人女性と、その家族の物語。彼女は、当時まだ幼かったビラヴドを自ら殺さねばならなかったが、その死んだはずのビラヴドは亡霊として登場します。ウォードの作品にも、白人と黒人の対立が生んだ悲劇の結果としての亡霊が登場します。 つづいて、ノーベル賞作家ウィリアム・フォークナーの『死の床に横たわりて』 各セクションの語り手は、それぞれに(死者も含めて)みずからの心の声で---すなわち「意識の流れ」といわれる文学の手法で---思いを語ります。この形式は、ウォードの作品にもそのまま採用されています。また両作とも南部の貧農一家を中心に据え、かつロード・ナラティヴを採用している点も共通しています。 上記2作の影響下にあることは疑いえないです。しかし、それでも本書が読ませるのは、その独自の「やるせなさ」です。 たとえば『ビラヴド』からは強烈な母性愛が感じ取れますが、ウォードの作品からはそうした確固とした愛情は感じられず、むしろどうしても母性をもちえない母親の苦悩や葛藤が感じとれます。 そして『死の横に横たわりて』における家族内の愛情の欠如を、ウォードは作品には持ち込んでいなく、祖父・祖母と孫たちのあいだの信頼関係を描くことで家族内に(少なくとも一定程度の)愛情があることを示しています。 その他にもドラッグ、育児放棄、そしてDVなど、現代的な問題に対する意識も強く感じられる作風です。かくして、古典を継承しつつ新しさを加えた本作。語弊はあるかもしれませんが、「お得感」を感じられた一冊でした。
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重苦しさを抱えながら、時折休憩という名の、その時読んで心に生じた何かを咀嚼する時間を入れながら読み進めた。 人種差別、黒人差別、男性中心主義が、今だに『歴史』となっていない現実。理不尽な出来事を癒さずトラウマになっているかもわからない状態で大人に、親になることの危うさ。どうして...
重苦しさを抱えながら、時折休憩という名の、その時読んで心に生じた何かを咀嚼する時間を入れながら読み進めた。 人種差別、黒人差別、男性中心主義が、今だに『歴史』となっていない現実。理不尽な出来事を癒さずトラウマになっているかもわからない状態で大人に、親になることの危うさ。どうして殺されたのか、なぜ殺されたのか、殺人が何の手段になっているのか。 日々に美しさを、感動を、喜びはあるのかと、縋るように探すように問いかける。 根強い差別。肌の色に、自分の優位性・力を誇示し、人に上下があると信じている愚か者。
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ミシシッピ州を舞台とした小説や映画で、奴隷制の歴史が色濃く影を落とす人種差別が描かれていない作品を見たことがない気がする。それだけ、現代に至るまで問題が根深いことに改めて嘆息。表題にもある「葬られなかった者たち」の、世代を超えて紡がれ続けた苦しみと怨念の声が具象化するようなとある...
ミシシッピ州を舞台とした小説や映画で、奴隷制の歴史が色濃く影を落とす人種差別が描かれていない作品を見たことがない気がする。それだけ、現代に至るまで問題が根深いことに改めて嘆息。表題にもある「葬られなかった者たち」の、世代を超えて紡がれ続けた苦しみと怨念の声が具象化するようなとあるシーンが、とても印象的だった。
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