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源氏物語(下) 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2020/02/26 |
JAN | 9784309728766 |
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源氏物語(下)
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商品レビュー
3.9
15件のお客様レビュー
角田光代訳『源氏物語』を読み終わりました。下巻は、光源氏の息子として育てられながらも、女三おんなさんの宮みやと柏木かしわぎの子でもある、薫かおる。今上きんじょう帝と明石あかしの中宮ちゅうぐうの子である、匂宮におうみや。このふたりを軸として進んでいきます。全体を通して不器用な登場人...
角田光代訳『源氏物語』を読み終わりました。下巻は、光源氏の息子として育てられながらも、女三おんなさんの宮みやと柏木かしわぎの子でもある、薫かおる。今上きんじょう帝と明石あかしの中宮ちゅうぐうの子である、匂宮におうみや。このふたりを軸として進んでいきます。全体を通して不器用な登場人物が多く、上巻、中巻に比べると「心の通じなさ」「ちぐはぐな感情」「愚かさ」という面が強調されているように思いました。同時に、薫と匂宮ふたりの力関係が対等であるが故に生まれるドラマは、前巻までにはない展開を生み出しており、その”上手くいかない部分”にこそ下巻の面白さや独自性はあったように思います。 薫が想いを寄せた大君おおいぎみは、彼のアプローチの仕方が変(というか下手くそ)なため、気を病んでばかりだし、中なかの君きみと想いを遂げられた匂宮は、釣った魚に餌はやらないとばかりにすぐ他の女性に目移りしてしまうし。主役として添えられているふたりは容姿端麗で生まれも役職も立派な割に、どうにもこうにも"下手くそ"な点が多く、「なんじゃこいつら」と思う場面が多くありました。 おそらくそれは、光源氏という存在が読者の中にいるというのもあって、どうしても彼と比べずにはいられない、というのもあるでしょう。下巻の中心となる「宇治十帖」を読んでいると、「光君ならもっと上手いことやっただろうなー」なんて思うことがよくあり、あんなにすちゃらかでダメな部分もあった男なのに、それがどうにも懐かしく思えてしまうのでした。 最後に登場する姫君、浮舟うきふねは、薫に「人形ひとがた」と呼ばれ、流されるように薫と匂宮のあいだをゆらゆらたゆたう存在です。そのため、これまで登場してきた姫君に比べ、確固たる個性というものが希薄であり、その分負わされる苦悩も非常に大きいものでした。そんな彼女を物語の最後に置いたのは何故なのか。浮舟は、最後に言い寄ってくる男たちすべてと縁を切り、ひとりで生きていくことを選択します。物語の幕切れは唐突で、まだ続きがあってもおかしくないような、浮舟や薫があの後どういった選択をして生きるのか考えずにはいられない、そんな終わり方をします。山崎ナオコーラ『ミライの源氏物語』では、浮舟と桐壺を同じ「受け身のヒロイン」として見ることで、最後に浮舟が「拒絶」をすることに意味があると書かれていた。角田光代のあとがきには、男に頼らず生きていく個、自分自身を手に入れた女性である浮舟は、これまで登場した女性たちのひとつの到達点かもしれない、と書かれている。作者である紫式部はどんなことを考えてこの帖をラストに持ってきたのだろう。上記した捉え方はとても正しいように感じるけれど、それはいまの時代の文学観、倫理観に合わせて考えたものであって、必ずしも正解とは限らない。いま私がぼんやりと思うのは、過去の、光君がまだいた頃の帖をまた読みたいなということで、あの光輝いていた時代の物語をもう一度味わいたいなということだ。各帖に登場するそれぞれの登場人物に再会することで、今度は親しみを覚えながらまた新たな魅力を見つけられそうな気がする。『源氏物語』が長く愛される要因のひとつは、きっとそういうところにあるんじゃないだろうか。 『源氏物語』の作品の魅力を一言で言い表すのは難しい。感動的な物語、というよりも、人間の業を見つめた部分のあるお話で、かと言って、むやみやたらに小難しいわけでもない。そもそも帖によって大きく色合いが変わるし、時代も主人公も、登場人物の心も移り変わっていくことから、一概に「ここがすばらしい」ということを説明するのは難しく、読む人によってどこに面白さを見出すかは変わるだろう。それはつまり、物語の豊かさ、文学の懐の深さ、人の心の複雑さが凝縮されていることも意味していて、変わりゆくものと変わらないものの、美しさを、そして儚さを知った気がします。 角田光代さんの訳文は平易で読みやすく、現代の小説と同じ「軽さ」がありながらも、作品の本質的な良さは失われていません。はじめて手に取った『源氏物語』が角田光代さんの訳でよかったなあと思います。 ここまで読んでいただきありがとうございました。『源氏物語』を愛読する方にとっては見当はずれな感想や、読みの浅さを感じる部分もあったかとは思いますが、そんな拙い感想をあたたかく迎え入れてくれたおかげで最後まで感想を書くことができました。 いずれ他の訳文も読んでみたいなーとは思いますが、いまは1000年間愛読される本の読者の一員になれた喜びにひたりたいと思います。
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現代文だから、読みやすいのだけれど。 しっかり読まないと、いつのまにか話が進んでる。 これを漫画にした大和和紀はすごい。 この文章から、着物を考え背景を書き、登場人物の心の声を描いたんですね…。 これを機に、他の『源氏物語』読んでみます!
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なんだか今ひとつ面白くない。これが本当に同じ作者による続きの話なのか。華麗さがなくどろどろとした話が続く。浮船もあまり好きな感じではない。 ただ解説を読むと、そうかこれはこの時代としては自立した女性の話と読めば良いのかと。もう少し時間が経てば違う感想になるかも。
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