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友だち 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/01/30 |
JAN | 9784105901639 |
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商品レビュー
3.7
15件のお客様レビュー
恋人ではないが大切な友だちである作家の男が自殺した。同じく作家である私は喪失のただ中に落とされ内省に沈む。男の妻からは、男の飼っていたグレートデンを引き取るよう頼まれ、「やさしい巨人」である犬との生活がはじまった。初老の女性作家と犬が、互いに孤独をもちよって男の不在をみつめる。 ...
恋人ではないが大切な友だちである作家の男が自殺した。同じく作家である私は喪失のただ中に落とされ内省に沈む。男の妻からは、男の飼っていたグレートデンを引き取るよう頼まれ、「やさしい巨人」である犬との生活がはじまった。初老の女性作家と犬が、互いに孤独をもちよって男の不在をみつめる。 文学について、死について、愛について、物言わぬ動物(特に犬)についての考察が豊かで、どこを切りとって読んでもいいような、思考の漂いともいうべき作品だった。文学や映画からの引用も豊富で、言葉を大切にする作家さんだなという印象をもった。 とりわけ書くことの限界や可能性について、友だちの男性作家(実は死んでいなかったのか?)と対話している部分は、ひとつの文学論ともなっていて、この作品をただならぬものにしている。
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・・・最近のテレビのドキュメンタリー番組で、郊外のモーテルを根城にして働いていた元売春婦がいちばん忙しいのは月曜日の午前中だと言っていた。妻や子供たちと週末を過したあとほど、このビジネスは活況を呈するらしい。・・・
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語り手の師でもあり30年来の友だちでもあった老教授の自殺、彼の飼っていたグレートデーンの老犬アポロとの生活、作家としての葛藤という三つのテーマがランダムに綴られる。リルケの「守りあい、境界を接し、挨拶を交わしあうふたつの孤独」という愛の定義に沿って亡き友、そしてアポロとの交感の日...
語り手の師でもあり30年来の友だちでもあった老教授の自殺、彼の飼っていたグレートデーンの老犬アポロとの生活、作家としての葛藤という三つのテーマがランダムに綴られる。リルケの「守りあい、境界を接し、挨拶を交わしあうふたつの孤独」という愛の定義に沿って亡き友、そしてアポロとの交感の日々が描かれる。アポロの心を推し測る場面では、「あなたのペットが病気になり、あきらかに具合が悪いのだが、それが何か、どこが悪いのかわからない。ペットは自分では説明できないからである。あなたを神だと信じている犬が、あなたは苦痛を止める力をもっているのに、なぜかそうしてくれないと思っている、という考えほど耐えがたいものはない。」と心を傷める。物語の終わりの方で、唐突にメタストーリーが挿入されるが、物語の転換させるこの挿入の必要性に戸惑いを覚えた。
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