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英国貴族、領地を野生に戻す 野生動物の復活と自然の大遷移
定価 ¥2,970
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 2019/12/27 |
JAN | 9784806715931 |
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英国貴族、領地を野生に戻す
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あるイギリスの貴族が、自分の土地を野性に戻すという、いわば環境復活実験の実話である。とはいえ、もともとは農業が成り立たなくなったことがきっかけで、化学肥料と機械による近代の耕作をやめ、広大な土地を自然の成り行きに任せたところ、様々な草木が芽生え、ついぞ見かけることがなかった虫や鳥...
あるイギリスの貴族が、自分の土地を野性に戻すという、いわば環境復活実験の実話である。とはいえ、もともとは農業が成り立たなくなったことがきっかけで、化学肥料と機械による近代の耕作をやめ、広大な土地を自然の成り行きに任せたところ、様々な草木が芽生え、ついぞ見かけることがなかった虫や鳥が集まり……ということになっていく。 実は最初、途中で読むのをやめようかと思った本である。あまり親しみのない植物や昆虫、動物などの名前(和名すらないものも多い)が続々と出てくるのと、400ぺージを超えるこの分厚い本は、巻頭に写真こそあるものの、全編ひたすら文字がビッシリ詰まっていたことに気持ちがなえてしまったからだ。それに、どうせ貴族が暇にあかせて書いたものなのだろうという、失礼極まりない思い込みもあったりして……。しかし、海外でかなりの高評価を受けているというからには、何らかの理由があるのだろうと、たいそうな時間をかけて読み終えてみると、やはりこれはそれなりに評価されるべき1冊であることがわかった。 興味深いのは、人類が破壊した「自然」とは、元来どういうものであったのかは、実は誰も知らないということだ。だから我々が考える「美しい自然」は、実は人間の都合によって生み出されたものであったり、保護という名のもとに、生物たちにとって良かれと思ってとっている行動は、実は彼ら達にとって本来望ましい状態ではない、といった事例が多い。そしてこうした試みの中から生まれた数多くの発見から、生物多様性を守ることは絶滅危惧種を救うことではなく、自然によって活かされている我々人間を救うことだということが分かる。そしてそれが地球温暖化に対しても希望を与えてくれる活動だということが分かる。時間さえあれば、一読をお薦めしたい。
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著者の夫が祖母から相続した英国のクネップは、第二次大戦中に農地に改変されていた。二人は、そのまま近代的な農業を続けようとするが、もともと農地に向いていない土壌で、農業はうまくいかない。十年以上がんばるが、とうとう二人は農業をやめ、カントリーサイドの復元に向け、資金援助を受け、領地...
著者の夫が祖母から相続した英国のクネップは、第二次大戦中に農地に改変されていた。二人は、そのまま近代的な農業を続けようとするが、もともと農地に向いていない土壌で、農業はうまくいかない。十年以上がんばるが、とうとう二人は農業をやめ、カントリーサイドの復元に向け、資金援助を受け、領地を野生に戻すことにする。いなくなった野生動物を移住させ、周囲の住民の理解を取り付け、少しづつ野生を復元していく。 生物多様性などと言うのは易い。間違った情報や、勘違いの正義と対するのは、根気のいることだっただろう。これからも続くことでもあろう。全部日本に通用するとは思えないが、一つの例として注目である。
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