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ファーストラヴ 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2020/02/05 |
| JAN | 9784167914356 |

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商品レビュー
3.9
520件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
環菜の事件を通じて、その母、由紀、迦葉の受けた児童虐待をほのめかす。テーマはこの世界で被害者自身も気づかず潜伏する多くの虐待か。 社会派の意義深い作品。そんな作品でも読まれないと訴えが届かない。読まれるためミステリー仕立てのエンタメ小説にして直木賞も取った。「わたしはこの仕事で有名になりたいんです」。由紀の言葉は作者の思いだと信じたい。有名になった今、気づかれにくくて根深い社会の闇を掘り起こす、地味で素晴らしい仕事を続けてほしいしその責任がある。 内容は、、環菜の心の闇の正体をどう解き明かしたか。 親の期待に応えようとした。「全部私が悪いんです。」その原因は養子としての「恩」か。何でも娘の責任にする母か。その母も自傷癖。その闇は夫に嫌われたくないからか。母親が自傷についてのテレビを見て「気持ち悪い」と言った。母親に見せられなくなり、母親は気づかないふりをして逃げた。自分の過去の闇に向き合うことから逃げた。娘は親の期待から外れたことをすればウソで繕い、これを母は虚言壁と言った。「私が嘘をつくことで母は安心していました」。 両親が彼氏を気に入れば、自分が嫌いでも別れられなかった。別れ話になったときにキレた理由はそれか。デッサン会で父親が褒める弟子に言い寄られると断れないのも理由はそれか。親だけではなく賀川や他の男との関係でも、無理矢理と環菜は言うがその時笑っていたという。嫌なのに笑う。「そういう気持ちにさせた自分が悪い」。 デッサン会で自分でも分からない嫌悪感。しかし自分からやめたいとは言えない。自傷し、それで解放された。女子アナの面接が引き金でそのトラウマが甦った。由紀も自分の子供の頃を思い出す。同じ嫌悪感。その歳ではまだ分からないが「気持ち悪い」。 家出状態のときの小泉裕二。家で叱られるから裕二に逃げる。「信頼した相手なんて、あのときだけ」。ファーストラヴはやはり裕二か。あの人でなくあのとき。頼りの裕二がしたいというからからしたのに、最後はすることが犯罪だからと追い出された。愛されていると思っていた。信頼は裏切られた。しかし最後に彼は裁判で正しいことをする。
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迦葉や我聞、由紀の関係性がとても人間らしくて、うまく言葉にできない感情が残った。 環菜の幼少期の経験は読んでいてつらかったけど、だからこそ彼女の心の動きに共感できた。 読み終わったあともしばらく余韻が消えない作品。
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後味が悪い話だった。主人公や容疑者もあんまり好きになれなくて、読むのがしんどかった。 皆貞操観念どうなってるの……
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