商品レビュー
3.9
575件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自身の父親を刺殺した アナウンサー志望の大学生環奈。 臨床心理士の真壁由紀は環奈の半世を執筆するため 旦那のお兄さん迦葉(弁護士)などと一緒に 環奈の今まで関わってきた人たちへ聞き込み調査を行う。 本当にアナウンサーを反対していた理由で父親へ殺意が芽生えたのか… 聞き込みをしていくと環奈の悲惨な成長過程を知る 冷酷な母親と 血の繋がっていない義理の父親(美術講師)。 ヌードモデルなどをして周りから性対象に見られていた環奈は次第に心が歪んでいく リストカットなどをして自分に傷をつければモデルはやらずに済む。その日以来自傷行為が日課になってしまった。 アナウンサーの面接の日にも包丁を購入し父親に会いに行ったらたまたま刺さってしまったたという環奈。 まだ未熟だった環奈の幼少期に起きていたことなどを考慮し 刑期は15年から8年へ短縮された 由紀や環奈の母親も性被害にあっていたという。 フィクションでありながら 身近にも起こりうる話だなと深々思った。 追伸 朝井リョウさんの見解を読んで 男性と女性で意見が分かれるのだと思った この小説を読んで性被害は身近に起こりうるし 大人になった時その子の捉え方で心が歪んでしまうものにもなりうるんだなと思った
Posted by 
恋愛じゃないけど大事な人。 恋情でしか人を大事にする方法を知らなかったから当てはめてみたけど、それによって大切なものを自らの手で壊してしまった気がする。傷つけることでしか自分の跡を残せなかった。
Posted by 
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
透明書房にて、表紙もタイトルもあらすじも一切わからないまま、AIの生成したキャッチコピーだけを見て勘で購入。 結果、ドンピシャで好みなテーマの物語で驚いた。 文体も肌に合って3日で読了。 娘はなぜ父親を殺さねばならなかったのか。 正直、冒頭から性的虐待を仄めかす昏い霧は立ち込めていたのですぐに気がついたけれど、被告人の環菜だけでなく、主人公の臨床心理士・由紀や、ネグレクト気味の環菜の母、そして無神経な由紀の母まで、色んな女性が色んな時代で色んな性被害に苦しめられていたことが、母子関係とも絡む形で繊細に丁寧に綴られていたのが良かった。 環菜への虐待に加担していたように見えた母親もまた、被害者。これは物語だけれど、実際にありふれた話なんだろうと思うとつくづく胸が悪くなる。 惜しかった点としては、母子関係だけに完結してしまっていて、その外側、つまりは諸悪の根源である父親らの闇の源流までは問題提起されてはいなかったこと。 物語において、当初は懲役15年だった環菜に、生育環境に情状酌量の余地ありとして、それでも「わざわざ人気のない場所に呼び出して」「胸に刃物が刺さっているのに救急車を呼ばなかった」ことから殺意が推認されるとして、無罪ではなく懲役8年の判決が下るのも生々しい。 去年、富山県で実の娘に何度も性的暴行をはたらいた54歳の父親に懲役8年の判決が降りて、それに対して父親が不服として控訴した胸糞悪い事件を思い出したりした。 物語と比較するものじゃないけど、本作は本当にある事例を元に創作されているのがわかるし、日本はつくづく性犯罪を軽視しすぎている。 本作には、悲しみの底にいる人への寄り添いと慈しみを感じられて良かったけれど、キャラクターに少女マンガ的要素を感じてしまったのが、私にとっては少々ノイズだった。 由紀の夫の我聞や、我聞の義理の弟であり由紀の元恋人(未満)である迦葉が軒並み(?)眉目秀麗な男性として描かれていたり、 辻の性的虐待への理解の速さとか、由紀より我聞の方が家にいて、息子の正親の世話も多くしている?ような描写が、ファンタジーだなあと。 そんなことをファンタジーだと感じてしまうようでは、やっぱり日本はまだまだだなあ、と思う。 ジェンダーギャップ的な意味で、社会が少しずつでも前進していることを、時々仄かに感じ取る事は出来ても、その裏には、先人たちの血を流すほどの苦しみが犠牲にあったんだと、改めて考える。
Posted by 