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失われた女の子 ナポリの物語 4
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失われた女の子 ナポリの物語 4

エレナ・フェッランテ(著者), 飯田亮介(訳者)

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失われた女の子 ナポリの物語 4

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2019/12/19
JAN 9784152099075

失われた女の子

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商品レビュー

4.7

11件のお客様レビュー

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2026/01/07

このシリーズの濃密さを食らってしまうと、他の小説が物足りなくなる。土地の特性、生まれの特性、時代の流れを、2人の幼馴染の関係性を語る物語に組み込んだ超大作。とにかくエネルギーがすごくて読むとナポリという混沌に否応なく引き込まれ夢中になってしまう。読むと感情が引っ張られてしまうから...

このシリーズの濃密さを食らってしまうと、他の小説が物足りなくなる。土地の特性、生まれの特性、時代の流れを、2人の幼馴染の関係性を語る物語に組み込んだ超大作。とにかくエネルギーがすごくて読むとナポリという混沌に否応なく引き込まれ夢中になってしまう。読むと感情が引っ張られてしまうから、危険。 辛くて、悔しくて、なぜこんなことが起きるのか、なぜ。と思ってしまうこと、自分の思い通りにはならないことばかりが起きる。こんなに小説で揺さぶられるのは、初めての体験かもしれないと思った。 このなぜ。には最後まで安易な答えや理路整然とした説明なんてものはなくて、最後まで混沌としたまま終わる。人生ってカオスだ。 この4巻には、人生って、こうだよね…が詰まっていた。 4巻にもなるとこのエレナの語りで語られる物語の限界にも気づき始め、幼い頃に描いたことすべてを叶え手にしているのはエレナで、エレナが持ち上げ続けるリラは地区で一生を終える一人でしかない。りらの視点が一切含まれておらず、1人の視点で人生を語ることの限界・傲慢さを感じることができる。でも同時に、実際の現実だって、人の思っていることなんてわからなくて、1人語りなんだよね。エレナは性格上何か事実に対して原因や背景を辻褄合わせたがるけど、実際の現実はそんな綺麗にまとまるものではなくて、推測でしかないんだ。 そして時代・時間は誰にとっても平等に流れ、争うことはできず飲み込まれるということ。登場人物たちは、善人悪人に関わらず、時代の流れによって持ち上げられ、落とされ、殺されていく。これは個人が云々できるレベルを超えたうねり(時代とか時間とか)のなかに、人がいるということではあるまいか。憎い、何かしてやりたいと思う時は無力さを感じるけれど、時の制裁というのがあるのかもしれない。ニーノみたいなやつもいるけどね。 子供は親世代の思う通り、望む通りにはならない。エレナ自身も親の望みからは逸脱した人生を送り、彼女の子供たちも同様に自分たちの欲望・真実に従い新しい時代を世代の価値観で生きる。その繰り返しなんだ。 書くということは、どうしたって自分の視点で書くということ。けれどその自分というのは様々な人に影響を受けた結果の自分というものなんだ。実際エレナはリラを強烈に意識して(リラならどう書くか)、作家の道を歩んできた。そうやって人というのは、本人が望む望まないに関わらず、生きているだけで他者に影響を与えるもの、相互に関係するものなんだ。 語られなければ消えてしまう者たちを、一人称で語り尽くした物語。だからこその偏りはあるけれど、それが故に結果的にたくさんの読者に対して人生を映し出す鏡になった。 一人称から街を、歴史を、人を、物語ること。その強さ・意義を示した傑作なんじゃなかろうか。それは、人が小説を書くこと、物語を書くことに対する希望にそのまま結びついた。文学に対する希望に。

Posted by ブクログ

2025/08/15

2025.8.15市立図書館 イタリア・ナポリの下町を舞台に、第二次大戦末期生まれの少女エレナとリラを中心にその成長と友情を描いていく物語。去年の夏から読みはじめて、冬休みに3巻を読み終えて、春夏の仕事が一段落したので満を持して4部作の最終巻を借りた。 語り手のエレナ、そして親...

2025.8.15市立図書館 イタリア・ナポリの下町を舞台に、第二次大戦末期生まれの少女エレナとリラを中心にその成長と友情を描いていく物語。去年の夏から読みはじめて、冬休みに3巻を読み終えて、春夏の仕事が一段落したので満を持して4部作の最終巻を借りた。 語り手のエレナ、そして親友のリラが中心ではあるが、地元でともに育った少年少女たちの群像劇であり、生まれ育った環境や人間関係に人がどうとらわれてしまうのかをまざまざと見せつけられる物語だった。 1980年のイルピニア地震(イタリア南部で3000人近く亡くなったらしい)の当事者となる震災文学でもあり、ずっと背景として描かれてきたナポリのマフィア(カモッラ)の趨勢は日本のヤクザの世界とも重なって読め、地域や学歴などの格差や政界の腐敗の話も含め、遠いイタリアの話とは思えなかった。たぶん世界のどこにいる人でも同じように読める大河小説だと思う。 私にとっては親世代のエレナとリラ、存命なら80歳になるがどのように世界を見ているだろうか、と本を閉じあれこれ考えてしまう。

Posted by ブクログ

2025/03/15

小説としてここまで客観的な視点が入らない物語も中々無いのではないか。 作中はエレナが自分とリラの人生を一から振り返り、書き連ねている形のため、全巻通してエレナの心情や苦悩、空想も含め全て赤裸々に語られていた。 2人の波瀾万丈な人生を描いてはいるが、客観的に語られていればここまで惹...

小説としてここまで客観的な視点が入らない物語も中々無いのではないか。 作中はエレナが自分とリラの人生を一から振り返り、書き連ねている形のため、全巻通してエレナの心情や苦悩、空想も含め全て赤裸々に語られていた。 2人の波瀾万丈な人生を描いてはいるが、客観的に語られていればここまで惹きつけられる内容にならなかったと感じた。 エレナの細部にまで渡る心情の描写、最後の最後まで囚われたかのように自身とリラを比較し続けてしまう想いが綴られてこその魅力になっている。

Posted by ブクログ