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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2019/11/27 |
| JAN | 9784103529712 |

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商品レビュー
3.4
42件のお客様レビュー
読んだことがない本と比べるのも妙だが、漱石の『それから』に近いものを感じた。 上京してバイトもせず、親の仕送りに頼ってなかなか優雅な暮らしをする「僕」。 ゲイとして生きる上でのアイデンティティの問題や、修論を書き進める上での哲学的な苦悩。そういう悩み多き青春が日記のように軽やか...
読んだことがない本と比べるのも妙だが、漱石の『それから』に近いものを感じた。 上京してバイトもせず、親の仕送りに頼ってなかなか優雅な暮らしをする「僕」。 ゲイとして生きる上でのアイデンティティの問題や、修論を書き進める上での哲学的な苦悩。そういう悩み多き青春が日記のように軽やかに綴られているわけだが、率直なところ、いいご身分だな、というのが最初に出てくる感想だった。 実家に帰って伯父に専門のドゥルーズの話をし、修士が終わったらフランスに留学したいと言った際の伯父の反応は「良いか悪いかは何とも言えないが、羨ましいね」(P136)というもの。 社会人からしたらこういう評価になるのは仕方ないだろうなと思う。 まあ僕が言えたことじゃないのは百も承知だが。 それから文体。主人公の五感や思考を実況中継のように描く手法やその鋭さも、漱石の『三四郎』を読んだときのような感じがした。もちろん時代が違うし、手法も漱石と千葉雅也でだいぶ異なるが。たんに私小説に共通の手法ってだけなんだろうか。私小説自体、大して読んだことがないのでよくわからない。 起承転結めいたものもあまりなく、日常の描写と思索が散文的に入り混じる。魚の話やドゥルーズの生成変化のあたりは分かったような分からないようなだったが、「男を愛する男の眼差しはカーブし、その軌道で他の男を捕らえ、自分自身に戻ってくるのだ。」(P113)の箇所はなるほどと思った。 絶対的な「他者」である異性とは違って、原理的には自分が持っててもおかしくないものを持つ相手に惹かれるんだから、同性愛の方が自己内省的なめんどくさい営みなのかもしれない。それをしない(=自己を疑うことがなく、専ら他者を求める)粗雑な男の姿に「ノンケ」を見出すというのもなんとなく納得できた。 あれこれ書いたが人の学生時代の話は無条件に眩しい。馴染みのある地名やらが出てくれば尚更。 つい昨日読んだ佐藤優の『神学部とは何か』も、そんな感じだった。今のうちにもう何冊か読んでみようかな。
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アブノーマルな異質さで強調されがちな世界を下卑たいやらしさがなく表現。哲学的考察も随所に散りばめることで作品全体が締まった感じ。
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物語とは哲学なのだ。回遊、円を描きながらぐるぐると周る、その描く線そのものがデッドラインということか。生々しい描写と繊細な心情が折り重なって紡がれる。
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