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ボーダー 二つの世界 ハヤカワ文庫NV
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ボーダー 二つの世界 ハヤカワ文庫NV

ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(著者), 山田文(訳者)

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ボーダー 二つの世界 ハヤカワ文庫NV

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2019/09/19
JAN 9784150414580

ボーダー 二つの世界

¥220

商品レビュー

4

9件のお客様レビュー

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2024/10/02

ミステリーとも幻想文学ともつかない表題作が出色。他者とは異なる能力を持ち、他者とは異なる見た目を持ち、世界から虐げられてきた者が、出会いを通して境界線の先へと進む物語。社会の残酷さに打ちのめされ、こぼれ落ちてしまいそうな人々へと向ける作者の眼差しが暖かく、同時に痛切な気持ちになる...

ミステリーとも幻想文学ともつかない表題作が出色。他者とは異なる能力を持ち、他者とは異なる見た目を持ち、世界から虐げられてきた者が、出会いを通して境界線の先へと進む物語。社会の残酷さに打ちのめされ、こぼれ落ちてしまいそうな人々へと向ける作者の眼差しが暖かく、同時に痛切な気持ちになる。 『臨時教員』や『紙の壁』もまた、世界と自分、他者と私という境界線があわく溶け合う瞬間が描かれ、ホラーの手触りはあるものの、幼いころに感じていた「自分以外の他人、あるいは世界がすべて作り物に見える」というあの感覚を想起させる。 また、映画化された『MORSE -モールス-』のエピローグとなる「古い夢は葬って」については、罪が円環する可能性、ではなく、共に罪を背負いながら生きる、という方向の物語が描かれていて好み。『ぼくのエリ 200歳の少女』の哀しさと美しさのその先を知ることが出来て嬉しかった。 表題作のタイトルになっている「ボーダー」というテーマは11の短編すべてに通底して存在している。社会生活を営む中で自然と定義づけられていくあらゆる物事への境界線が、誰かによって、社会によって都合よく決められた線引きでしかなく、規定しながら他者を見つめることへの警鐘が響く。しかしその響きは誰かを痛烈に批判するようなものではなく、私たちの心に初めから備わっていた(しかし忘れてしまっていた)無垢さを呼び覚ますような響きだった。 あと『マイケン』はリンドクヴィスト版のファイトクラブだった。悪だくみの思想が広がっていく話はいつだって楽しく、いつだって魅力的だ。

Posted by ブクログ

2021/12/29

表題作が映画化もされた、「モールス」「僕のエリ」の原作者の短編集 思ったより幻想小説っていうかファンタジーっていうか…あれなんだな… 映画の方が過激になってるのかな…

Posted by ブクログ

2020/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スウェーデンのスティーブン・キング、ことヨン・アイヴィデ・リンドグヴィスト(覚えられん…)の中短編集。初めて読む作家さん、「ミレニアム」シリーズは言わずもがな、ヘニング・マンケルやらマルティン・ベックやらと、北欧ミステリーはずいぶん親しむようになっているのだが、こういう幻想怪奇が混ざった小説はまだまだ未開拓かな(除くムーミン)。 水と冷たさに恐怖を感じる作風や、異生物に北欧神話を感じるあたりが、ご当地っぽいとも思える。キングとの比較されるのもむべなるかな…って思う箇所も、キングに感じるジャンクなアメリカンカルチャー臭が、この作品ではトロールやラグナロクなんかに感じる北欧臭がしてたりとか。 表題作や最後の中編「最終処理」、唯一異界を感じさせない「マイセン」あたりが、人気の出そうな佳作だが、個人的に非常に印象に残ったのが「紙の壁」。少年時代だからこそ出会える日常と幻想の接触は、世界中いつでもどこでも読まれるテーマだと思うが、オチをどうつけるか。ここで地域・時代によってすごく個性が変わると思う。この作品はさすが北欧って落とし方だと思ったが、さて日本だと…やっぱ、今だと鬼かな?

Posted by ブクログ

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