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奴隷船の世界史 岩波新書1789
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2019/08/23 |
JAN | 9784004317890 |
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奴隷船の世界史
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商品レビュー
4
13件のお客様レビュー
大まかではあるけれど、奴隷制の始まりから終わりまでが書かれている。 が、現代もこの問題は続いていると知り、やるせない気持ちになった。
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著者は、大西洋奴隷貿易史、近代奴隷制史を専攻する大学教授。 本書のそでには、「その犠牲者は1千万人、400年にわたり大西洋上で繰り広げられた奴隷貿易の全貌が歴史家たちの国境を超えた協力により明らかになってきた」、また奴隷船は「移動する監獄」と書かれている。奴隷貿易の開始から始ま...
著者は、大西洋奴隷貿易史、近代奴隷制史を専攻する大学教授。 本書のそでには、「その犠牲者は1千万人、400年にわたり大西洋上で繰り広げられた奴隷貿易の全貌が歴史家たちの国境を超えた協力により明らかになってきた」、また奴隷船は「移動する監獄」と書かれている。奴隷貿易の開始から始まり、奴隷制廃止、奴隷から近代の移民へ流れと、本書で取り上げている範囲は広い。 大西洋の黒人奴隷貿易の中心はイギリスというイメージを持って昨年リバプールの国際奴隷制博物館を訪問した(会報104号海外博物館訪問レポートご参照)。この訪問で知ったことは、奴隷貿易に関するデータベースが蓄積され、16世紀から19世紀に大西洋を渡った黒人の歴史は単純ではないということだった。本書によると同期間大西洋を渡った黒人は12.5百万人、これに興味を持ち、別の本(*)に掲載されている統計では、輸送した奴隷を船籍別に見ると、イギリスは全体の1/4に過ぎずポルトガルとスペインで全体と半分以上を占めている。これにオランダ、アメリカ、フランス、デンマークが加わる。 本書のハイライトを筆者なりに取り上げると、第二章「奴隷船を動かした者たち」で、奴隷船の構造と実態。取り上げている船は奴隷搭載図で有名なブルックス号(British Slave Ship Brookes),319トンから始まり(船体内分ご参照)、船体構造では平均的な170トンクラスの奴隷船の内部を解説している。奴隷船の特徴としてバリケードがあることは本書で初めて知った。主甲板の後方に設置された高さ3メートルの仕切り板で男性奴隷と女性奴隷を隔て、奴隷の反乱時には船員が女性奴隷側に避難した。船体内の生活ぶりや死亡率を減らすための工夫も悲惨だが興味深い。船内の過酷な状況は、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「アミスタッド」(アメリカ、ドリームワークス1997年公開)で映像化されている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少し前にロビンソン・クルーソーが話題になっていて、関連本を探していてこの本に出合いました。 20年近く前だと思うけど、映画「アミスタット」を観て衝撃を受けた記憶がある。 あの映画も、奴隷船の真実を突き詰めたものだった。 本書では、400年にもわたる奴隷貿易の実態を明かし、だれが利益をあげていたのか、どんな人たちが奴隷船を動かしていたのか、多角的に考察している。 砂糖やコーヒーが、奴隷の労働力によって生産されてきた事実。 日本では、「奴隷」と言えば、中学校の社会科でアメリカ合衆国の南北戦争のことやリンカーンの演説を学習する際に奴隷貿易に触れるが、実際はアメリカ合衆国だけでなく南北アメリカ大陸の広い範囲に奴隷は送り込まれている。キューバなどでの奴隷の叛乱や自由を獲得するまでの歴史、奴隷貿易の禁止や奴隷制度そのものを禁止することを目指して活動した人々のこと…。非常に興味深く勉強になる内容でした。 アメージンググレースを作詞したのは、奴隷貿易船の船長だった人(ジョン・ニュートン)だそうです。船を降りて、牧師になってから作った歌なのだとか。 最後に、奴隷は現代にも存在するのだという章があり、私たちの日々の便利な生活の陰に、犠牲になっている子供や、弱い立場の人たちがいるのだという現実に、目をつむってはいけないと思った。
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