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あなたと原爆 オーウェル評論集 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2019/08/08 |
JAN | 9784334754082 |
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あなたと原爆 オーウェル評論集
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商品レビュー
4.4
11件のお客様レビュー
東西の冷戦を予見した表題作を含め本作から『1984年』『動物農場』で描かれる思想的なものを知ることができた。現在でも通用するどころか現在社会への批判そのもの。特に「ナショナリズム覚え書き」は全く古びていない。繰り返し読みたい。
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全部で16篇のエッセイ。良かったのは、以下の5篇 Ⅰ あなたと原爆 復讐の味は苦い Ⅱ 象を撃つ Ⅲ イギリスにおける反ユダヤ主義 Ⅳ ガンジーについて 1945年10月19日にトリビューン紙上に発表された表題作は、原爆投下の僅か2ヶ月後に、米ソ両超大国間の冷戦を予言したも...
全部で16篇のエッセイ。良かったのは、以下の5篇 Ⅰ あなたと原爆 復讐の味は苦い Ⅱ 象を撃つ Ⅲ イギリスにおける反ユダヤ主義 Ⅳ ガンジーについて 1945年10月19日にトリビューン紙上に発表された表題作は、原爆投下の僅か2ヶ月後に、米ソ両超大国間の冷戦を予言したもので、冷戦(Cold War)という言葉自体、このエッセイが世界で初出らしい。フランス革命に対するエドマンド・バークの省察といい、イギリス人知識人の先見性は大したものだと思う。 「ガンジーについて」では、聖人視されることの多いガンジーは、聖人ではなく、イギリスからのインドの平和裡の独立を最終目的とする政治家である、という前提で評論している。その中では、イメージとは随分違う言説も登場し、自分のガンジー像を修正せざるを得なかった。 (以下、「ガンジーについて」より抜粋) P270 普通の人間にとっては、特定の人を、他の人間以上に愛するからこそ愛なのであって、そうでなければそれは愛ではない。 P274 ドイツのユダヤ人は集団自殺をするべきだ、そうすれば「世界の人々とドイツの人々がヒトラーの暴力に目を覚ますことになっただろう」
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開高健が言及していた (と記憶している) 『象を撃つ』を目当てに購入した。 せいぜい十数ページのエッセイにこれほどまでに魅了されるとは思ってもいなかったのだが、その卓越は凡そ次のようなところだろう。 ライフルで頭部を撃たれた象はその肢体から力を失い頽れる。殺到するビルマの群衆。...
開高健が言及していた (と記憶している) 『象を撃つ』を目当てに購入した。 せいぜい十数ページのエッセイにこれほどまでに魅了されるとは思ってもいなかったのだが、その卓越は凡そ次のようなところだろう。 ライフルで頭部を撃たれた象はその肢体から力を失い頽れる。殺到するビルマの群衆。なかなか事切れない象にさらに銃弾を撃ち込むも血が溢れるばかりで、あまりの痛々しさにその場から逃げ出してしまう。オーウェルにその引き金を引かしめこのスペクタクルを演出したのは、白人は主人然としてなければならないという情けない矜持だったのだ。オーウェルにそれなりに深い罪の意識を植え付けたのがいかにつまらない動機だったか。その描写に力点が置かれている。 母国の帝国主義を憎みながらも若さゆえに支配者たる白人像と決別しきれず、結果帝国主義とビルマの群衆に踊らされた著者の告白が、白人支配の虚しさとして結実している。 その他のエッセイも概ね面白かった。 物書きという職業にどう向き合っているかについて著者は、時代が彼や人々に要請する公的な事柄と彼の内的な好き嫌いを和解させることが使命だという。 「子どもの頃に手に入れた世界観を完全に捨て去ることは私にはできない」 時に文学的均整を、また時に政治的目的を劣後させながらも伝えたいことを伝える。その姿勢に好感を持った。
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