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猿の見る夢 講談社文庫
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猿の見る夢 講談社文庫

桐野夏生(著者)

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猿の見る夢 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2019/07/12
JAN 9784065161159

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猿の見る夢

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商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2024/01/27

薄井正明、59歳。目下の悩みは社内での生き残り。そんな彼の前に、妻が呼び寄せたという謎の占い師・長峰が現れる。この女が指し示すのは、栄達の道か、それとも破滅の一歩か…。

Posted by ブクログ

2024/01/27

主人公の薄井は、銀行から年商2000億円の成長アパレル企業に出向・転籍し、財務担当取締役を務めている59歳。社長のセクハラ問題に乗じて、更に常務、あわよくば社長に就くことを密かに狙っている。10年来の愛人がいるが、会長秘書にも下心を持っており、接近を図る。母親が認知症であるが、介...

主人公の薄井は、銀行から年商2000億円の成長アパレル企業に出向・転籍し、財務担当取締役を務めている59歳。社長のセクハラ問題に乗じて、更に常務、あわよくば社長に就くことを密かに狙っている。10年来の愛人がいるが、会長秘書にも下心を持っており、接近を図る。母親が認知症であるが、介護は実の妹に任せっきり、しかし、母親の住んでいる住居の都内一等地の土地、遺産を手に入れ、長男一家と二世帯住宅を持ちたいと願っている。 そんな薄井の人物像を表す言葉は、例えば、「虫がいい」「せこい」「判断能力がない」「人の心が読めない」「自分が良ければ」という感じの言葉であり、一言で表すとすれば「小物」「ゲス」というのがぴったりかと思う。 そんな薄井が色々な(彼にとっては)試練に見舞われていくというのが、本書の筋書きである。薄井ほど共感できない主人公も珍しいが、それでも、そのゲスっぷりは見事でむしろ爽快で、テンポの良いストーリー展開もあり、面白く読んだ。桐野夏生の作品の中でも、かなり好きな部類に入る。 本作品についての、筆者の桐野夏生のインタビュー記事をウェブで読んだ。インタビューによれば、本作品のテーマは下記の通りである。 【引用】 この作品のテーマは、男の欲望です。すべてを持っていたい男のわがままを書こうと思いました。虫のいいことばかりを考えている主人公の心のうちの秘密、人には絶対に言えないようなことを書いていく作業です。それは誰もが持っているものですが、この年齢の男性には特に多いと思う。 これまで薄井のような初老に差し掛かった男の心理を描いたことはほとんどありませんでしたが、連載された「週刊現代」の読者の共感が得られないのではつまらないので、挑戦的な気持ちでやってみました。 【引用終わり】 実際、私が感じたような「ゲス」な男を描きたかったということなので、まぁ、私は筆者の意図通りに物語を読んだのである。確かに、薄井ほどの虫のよさはないにせよ、自分に都合の良いことを考える心理は「誰もが持っているもの」なのであり、もしかしたら、自分自身の「男のわがまま」を実現しようとする薄井を少し応援しながら読んでいたのかもしれない。

Posted by ブクログ

2023/08/27

59歳の主人公・薄井が周囲の女性に翻弄されるところや、薄井の俗物ぶりが面白かった。薄井が憎めないキャラクターであることや、占い師の長峰の存在感も本書の魅力かなと思う。展開がよめないため先が気になるうえ、テンポが良いので、約600ページあってもすぐに読めた。

Posted by ブクログ