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百花
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2019/05/15 |
| JAN | 9784163910031 |

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商品レビュー
3.5
119件のお客様レビュー
『百花』――静かな題名である。だが、その中身はなかなかに重い。 レコード会社に勤める30代の泉は、まもなく父親になる。新しい命を迎えようとしているそのとき、彼を育てた母・百合子は認知症を発症する。68歳という年齢は、決して特別に早いわけでも、遅いわけでもない。だからこそ、余計に...
『百花』――静かな題名である。だが、その中身はなかなかに重い。 レコード会社に勤める30代の泉は、まもなく父親になる。新しい命を迎えようとしているそのとき、彼を育てた母・百合子は認知症を発症する。68歳という年齢は、決して特別に早いわけでも、遅いわけでもない。だからこそ、余計に現実味がある。 認知症の怖さは、単に物忘れが増えることではない。記憶が削られていくにつれて、その人らしさまでもが少しずつ失われていくように見えるところにある。しかも本人にはその自覚がない。周囲の人間だけが変化に気づき、戸惑い、時に傷つく。これはなかなか堪える。 人はなぜ介護をするのか――ふと、そんなことも考えさせられる。 自然界を見渡せば、多くの生き物は老いれば静かに退場していく。ところが人間だけは違う。支え、看取り、関わり続ける。理由ははっきりしないが、少なくともそこには「簡単には手放せない何か」があるのだろう。 本書の核にあるのは「記憶」である。 楽しかったことも、苦しかったことも、結局は記憶の中にしか残らない。人の一生とは、言ってしまえば記憶の積み重ねのようなものだ。歴史に名を残す一部の人を除けば、多くの人間は誰かの記憶の中にひっそりと生き続けるだけである。 だとすれば、記憶を失うとは何なのか。 認知症によってそれが失われていくとき、人は「その人」であり続けているのか。それとも、少しずつ別の何かに変わっていくのか。 答えは簡単には出ない。ただ、泉が父になろうとしているという事実が、この問いにひとつの揺らぎを与えている。記憶は失われても、何かは受け継がれていくのではないか――そんなかすかな救いも感じられる。 もっとも、理屈ではそう思えても、自分のこととなれば話は別だ。 誰しも、できることなら“そうなる前に”と考えてしまう。けれど人生は、そう都合よくはできていない。 静かで、優しくて、そして少しだけ残酷。そんな一冊である。
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息子は母の為に、母は息子の為に。二人の歩みが自伝的に描かれていく。アルツハイマーとなり記憶が薄れていく。そんな母を優しく見守り最後まで息子として寄り添っていく。一つの家族の形かなと思った。高齢化社会の昨今このような作品が出てくるのは当然だと思った。
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認知症の母親、辛い老後です。 息子、泉のことまで忘却の彼方へ? 本人にとってはある意味しあわせなのでしょうが、家族は辛い。
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