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庭とエスキース
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | みすず書房 |
| 発売年月日 | 2019/04/17 |
| JAN | 9784622087953 |

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商品レビュー
4.7
14件のお客様レビュー
久々に、本当に読んでよかったなと思える本との出会いだった。 写真家である奥山さんが、ある日取材仕事で出会った「弁造さん」というおじいさんを、弁造さんが79歳から92歳で逝ってしまうまで通い続けて、ひたすら写真に撮り続ける、その日々を綴った本。 読み始めてから最初の間、私はこの作...
久々に、本当に読んでよかったなと思える本との出会いだった。 写真家である奥山さんが、ある日取材仕事で出会った「弁造さん」というおじいさんを、弁造さんが79歳から92歳で逝ってしまうまで通い続けて、ひたすら写真に撮り続ける、その日々を綴った本。 読み始めてから最初の間、私はこの作者の弁造さんへの近づき方に不満があった。 なんかもっと踏み込んでこの人の生に踏み入ってほしい、そんな気持ちをもったのだ。 でも、当たり前だけど、人は人の生にそんなに立ち入れるものではない。 なんだか人の心というか人生はひとつに庭のようだと思った。 実際、弁造さんは自給自足生活のためとても素敵な庭を作っていた。 この本の中には奥山さんがフィルムに収めた弁造さんの庭も出てくるけど、その庭は、私がココで「庭」と描いて表現できそうもないくらい素敵な庭なのだ。 池があって、日本にはあんまりないメープルの木がその圧倒的な透明感で秋を彩り、小鳥たちのためのひまわりの種まで自給自足するような庭。 そんな庭に、奥山さんはお邪魔させてもらう。 人が人の人生に関わるというのも、そういう、庭をお邪魔させてもらうような、そういうものなんじゃないか、と思った。 人は庭を見せてもらったり、お邪魔させてもらうことはできるけど、その庭を勝手に掘り起こしたり、勝手に何かを植えたりはできないし、してはいけない。 奥山さんと弁造さんの関係は、そういう人と人のデリケートで優しくあろうとする部分をギリギリなぞるように進んでいく。 この本を読むと「老いる」ということや「お年寄り」というものへの見方が一変する。 「老いる」ことは「生きる」ことなのであり、「お年寄り」なんていう人は一人もいない。 ずっと絵を書き続け、絵描きになりたいと願いながら、それが叶わなかった弁造さん。 でも、弁造さんが亡くなったあとで、奥山さんは弁造さんにとっての「絵を描く」ということがどういうことだったのかを分かったような気持ちになる。 それは私も知っているかもしれないと思えるもので、人って一生、どんなに年をとってもこういう感じなのかよと絶望する気持ちもありながら、弁造さんというか、人生への愛おしさのようなものがマックスボンバーになる。 弁造さんが収められた「Benzo」という写真集もあるみたい。 今度図書館に行って、めくってみようと思う。 自分の一生でつくる「出会えてよかった本100選」みたいなものがあるとしたら、そこに並べたい一冊。
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弁造さんの葬儀辺りはちょっと読みにくかった。 写真家が絵描きの老人を写真に撮る。老人は確かに魅力的だけど、なぜ老人?と思いました。 老人の歴史を紐解き「弁造さんの魅力について掘り下げる」宗教観や死生観、自分がこの世からいなくなった時の始末の仕方など、とても参考になる話もありま...
弁造さんの葬儀辺りはちょっと読みにくかった。 写真家が絵描きの老人を写真に撮る。老人は確かに魅力的だけど、なぜ老人?と思いました。 老人の歴史を紐解き「弁造さんの魅力について掘り下げる」宗教観や死生観、自分がこの世からいなくなった時の始末の仕方など、とても参考になる話もありました。 亡くなってしまって、悔しいことはわかりますがラストが同じことを繰り返しているような気がしました。 ブクログピックアップ
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独自の信念を持って自給自足を実践する弁造さんの暮らし、「生きることとは何か」を彼から見つけようとする著者の嗅覚と長年の取材にただただ圧倒される。特に著者が自分なりの真理を求めて動き、それを言葉として紡ぐ作家としての忍耐と感性には時折息を呑む。後半は「老い」もテーマであるように思う...
独自の信念を持って自給自足を実践する弁造さんの暮らし、「生きることとは何か」を彼から見つけようとする著者の嗅覚と長年の取材にただただ圧倒される。特に著者が自分なりの真理を求めて動き、それを言葉として紡ぐ作家としての忍耐と感性には時折息を呑む。後半は「老い」もテーマであるように思う。ひとり北海道での自給自足生活という厳しい環境を通して生まれた言葉や写真を、歳を重ねて読み返すに違いない。
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