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蜜蜂と遠雷(上) 幻冬舎文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
| 発売年月日 | 2019/04/10 |
| JAN | 9784344428522 |

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蜜蜂と遠雷(上)
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商品レビュー
4.4
722件のお客様レビュー
美しい。文字を読んでいるつもりが、自分で絵を書いていくような感覚がした。 "緊張”ひとつとっても、表現の仕方によって重さが違う。なおかつ、全てが想像でき、その緊張を味わうことができる感動。
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楽しすぎる!恩田陸先生の長編作品初読みですが、もう全然ページを捲る手をとめさせてくれない。視点がコロコロと変わって区切りがついているはずなのに、違和感を感じさせない。そんなことよりどんどんのめり込ませる文章にワクワクが止まらない。かつピアノの楽しさ、舞台の怖さは、かつてピアノを習...
楽しすぎる!恩田陸先生の長編作品初読みですが、もう全然ページを捲る手をとめさせてくれない。視点がコロコロと変わって区切りがついているはずなのに、違和感を感じさせない。そんなことよりどんどんのめり込ませる文章にワクワクが止まらない。かつピアノの楽しさ、舞台の怖さは、かつてピアノを習っていた自分にも共感できるところもあって、色んな音、感情が流れ込んでくるようだった!
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『蜜蜂と遠雷』を読み終えて、一番印象に残ったのは、登場人物たちが演奏を通じて「自分自身」と対話していることだった。 演奏中の内省は非常に多い。ただ音楽を奏でているのではなく、楽曲をどう解釈するかを通じて、自分の人生や価値観、そして自分自身の音楽を組み立て直しているように感じた。...
『蜜蜂と遠雷』を読み終えて、一番印象に残ったのは、登場人物たちが演奏を通じて「自分自身」と対話していることだった。 演奏中の内省は非常に多い。ただ音楽を奏でているのではなく、楽曲をどう解釈するかを通じて、自分の人生や価値観、そして自分自身の音楽を組み立て直しているように感じた。特にマサルと明石の描写は、その傾向が顕著だった。 風間塵という存在も強く印象に残った。彼はまさに劇薬である。劇薬とは、毒にも薬にもなり得る存在という意味だ。彼は既存の音楽観や価値観を揺さぶり、音楽界に混沌をもたらす。しかし、その混沌は単なる破壊では終わらない。栄伝亜夜は自分の限界に突き当たっていたが、風間塵の演奏を通してその限界を打ち破ったというより、自分の限界さえも自分の音楽性へと昇華していったように思う。風間塵は周囲の演奏家たちに、新しい音楽の可能性を示した存在だった。 また、楽曲の解釈という考え方は、小説にも通じるものがあると感じた。一つの物語があっても、誰が描くかによって作品はまったく違うものになる。たとえば『桃太郎』でも、夏目漱石が描く桃太郎と恩田陸が描く桃太郎では、読者が受ける印象は大きく異なるだろう。音楽も同じで、同じ楽譜を前にしても、演奏者が違えばまったく別の作品になる。その解釈の違いこそが、新たな発見を生み出していくのだと思った。 このことは、自分の読書観にもつながった。読者は作者の作品を受け取るだけではない。「恩田陸はこの物語をこう解釈したのか」と読み、さらに「もし自分ならどう描くだろうか」と考える。その意味では、読書もまた、作家と読者による一種の共演なのかもしれない。 唯一物足りなさを感じたのは、自己との対話が中心となった一方で、「音楽そのもの」との対話がやや埋もれてしまったことだ。個人的には、音を聴いた瞬間に身体が震える、皮膚を音が滑っていくといった、生々しい身体感覚をもっと描いてほしかった。そうした描写が加われば、演奏の凄みをさらに追体験できたように思う。 文章そのものは終始美しく、柔らかく、手触りのよい工芸品を撫でているような心地よさがあった。強い吸引力がありながら、その力は事件や謎ではなく、一文一文の美しさと、登場人物たちの音楽への向き合い方から生まれていた。音楽を題材にした小説であると同時に、「表現するとは何か」「解釈するとは何か」を描いた作品として心に残った。
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