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どうで死ぬ身の一踊り 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/03/23 |
JAN | 9784041076477 |
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どうで死ぬ身の一踊り
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どうで死ぬ身の一踊り
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風格ある文体もあいまって、古くマイナーな作家をひとり熱心に研究しているだなんてずいぶんと高尚なと思いきや、急にはさまれる頽廃美などとはほど遠いだらしなさに意表をつかれるとともににやりとしてしまい、当初そういう惨めさとの懸隔を演出するかに思われた文学的な情熱もどんどん(清造の墓が汚...
風格ある文体もあいまって、古くマイナーな作家をひとり熱心に研究しているだなんてずいぶんと高尚なと思いきや、急にはさまれる頽廃美などとはほど遠いだらしなさに意表をつかれるとともににやりとしてしまい、当初そういう惨めさとの懸隔を演出するかに思われた文学的な情熱もどんどん(清造の墓が汚ないアパートに持ち運ばれたかのごとく)その最低な暮らしぶりになんじでいって、もうなにもかもがどうしようもない、なのに女が出ていったのちにおのれの醜態を緻密に振りかえるそのいじらしさのようなものになんだか泣きそうになる、ほんとに最低なのだが。
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藤澤清造愛に溢れている私小説。読んでいてあまりいい気分はしないDVの場面はあるけれども、なぜか読み進めてしまいたくなるほど不思議な小説だ。それを解説がわかりやすく書いてくれていた。 『藤澤清造に少しでも近づけることを求めながら、自らは小説家になることを目指していなかった西村賢太の...
藤澤清造愛に溢れている私小説。読んでいてあまりいい気分はしないDVの場面はあるけれども、なぜか読み進めてしまいたくなるほど不思議な小説だ。それを解説がわかりやすく書いてくれていた。 『藤澤清造に少しでも近づけることを求めながら、自らは小説家になることを目指していなかった西村賢太の私小説にその種(作家になることを目指し私小説というジャンルを選び、自分を美化して描くこと)の美化はない。なるほど彼の小説に登場する「私」は常に愚者である。すれはすがすがしくも本当の愚者である。だから西村賢太の小説は不思議にあと味が悪くない。』 それにしても、「根は◯◯なので~」が好きだ。 この小説内では彼の根はわがまま/未練にできている/ペシミスト/虫のつくほど青臭い文学青年/テレクラ嫌い/姑息/狡猾/甘ったれ/苦労性 らしい。 「便座あげとけって言ってんだろがっ!」と怒鳴る場面の理不尽さは笑ってしまった。
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「何んのそのどうで死ぬ身の一踊り」、大正期の私小説作家・藤澤淸造に惹かれた「私」は、その菩提寺を訪ね、古くなった墓標を譲り受けて部屋の一隅に置いて墓と共に暮らすようになる(墓前生活)。さらに藤澤の追悼法要を営み全集を発行したいとのめり込むが、そのために同棲中の女から金を借りるだけ...
「何んのそのどうで死ぬ身の一踊り」、大正期の私小説作家・藤澤淸造に惹かれた「私」は、その菩提寺を訪ね、古くなった墓標を譲り受けて部屋の一隅に置いて墓と共に暮らすようになる(墓前生活)。さらに藤澤の追悼法要を営み全集を発行したいとのめり込むが、そのために同棲中の女から金を借りるだけでなく、かっとして暴力をふるい、女が出て行くと涙ながらに戻ってほしいと懇願する(どうで死ぬ身の一踊り)。女が戻ってきたのもつかの間、女のために買ってきた蟹を愚弄されたことに怒り、ついに殴って骨折させてしまう(一夜)。ただの情けないDV野郎で、気色が悪い、側にいてほしくない、近づきたくもない。
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