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社会学史 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/03/19 |
JAN | 9784062884495 |
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商品レビュー
4.4
28件のお客様レビュー
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◆マックス・ヴェーバーは「エディプス・コンプレックス」だった!? 社会学をドラマチックに読み解くと(ダ・ヴィンチWeb 2019/3/20) https://ddnavi.com/article/d526184/
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著者の論理というか、問題意識がはっきりしているおかげで、歴史上のそれぞれの思想が驚くほど生き生きと頭に入ってきた。 以下、終盤のルーマンとフーコーの説明についての僕なりの理解。 ある要素は、システムを前提に他の要素との関係性によって相対的に構成される。システムの複雑化に伴い複...
著者の論理というか、問題意識がはっきりしているおかげで、歴史上のそれぞれの思想が驚くほど生き生きと頭に入ってきた。 以下、終盤のルーマンとフーコーの説明についての僕なりの理解。 ある要素は、システムを前提に他の要素との関係性によって相対的に構成される。システムの複雑化に伴い複雑性の縮減は進行し、アルシーヴの可能性の地平が拡張するとともに希少化し空間内での偏りが増す。偏ったアルシーヴ内で、可能性の地平が収縮して意味が選択されるとディスクールが立ち現れる。 一方、人間は社会を前提として他者との関係性によって相対的に構成される。社会進化に伴い生権力によるパノプティコン的支配が定着し、「告白」が常態化する。告白が蓄積され内面化され、他のあり得た可能性を否定して一つのアイデンティティが選択されると人間が立ち現れる。アイデンティティの構築には、告白だけではなく告白されなかった秘密も関与する。告白は選択されたディスクールに対応して、秘密はディスクールになり得たが否定された可能性に対応する。ディスクールが存在するためには、否定された可能性の地平が保存されている必要がある。 フーコーは権力を前提として人間が初めて立ち現れることを示したのち、人間が権力に抵抗する方法としてパレーシアに目を向けた。パレーシアは真実を語ることを表すギリシア語である。 パレーシアは、秘密のない告白、権力による監視を前提としない人間に対応するとみなせる。これはひいては、それでしかあり得ない必然的なディスクールを表すと考えられる。つまり、縮減していない空間内の全ての可能性がディスクールとして発現する場合にのみ、それらはパレーシアだとみなせる。しかしそれではカオス状態となりシステムとして機能しないためパレーシアは実現し得ず、人はレトリックを道具として利用し認識や表象を少なからず単純化せざるを得ない。 権力や社会システムがあることで初めて複雑性が縮減し、私たちは収縮したディスクールから成る制御可能な程度の複雑さをもつ秩序あるアルシーヴ(エピステーメー)を利用することができる。また、収縮した意味から構成される制御可能な程度の複雑さをもつ社会秩序がオートポイエーシス的に構築される。社会進化とは、社会システム内でその要素であるコミュニケーションの数の増加を指す。閾値を超えると本来カオス化するところ、その複雑性を縮減する方法が各段階に備わっており、たとえば近代社会ではそれが生権力である。複雑な社会に生きる人々は、物事をありのままに捉えたり発話したりすることはできない。
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(編集中) 社会学とは一体どのような学問で、どのように発展して来たか?と問われた時に、明確な答えを示せる者は決して多くないように思う。というのも、社会学という学問自体が学際的な学問であり、抽象的かつ広義の意味を含んでいるからである。そして本書では、そうした社会学の性質を認めた上で個別具体的な領域に留まらず、それを学際的なままとして評価している。 本書における重要な点は、社会学が誕生してからの歴史を問いとしているのではなく、そもそも社会学はどこから来たのか?といったことから問いを始めている点である。 社会学という語がコントによって用いられるようになったのは、19世紀のことである。人間を構成する最も重要な要素のひとつであるはずの社会というモチーフが学術的に取り扱われるようになるまでにそれほどまでの時間がかかったのは一体なぜか? このような問いに対し、大澤は古代ギリシャから中世における神の存在をめぐる問題と啓蒙の時代、そしてフランス革命へと繋げることで返答している。私見を述べれば、社会学を評価する上でこの啓蒙の時代とフランス革命の存在への言及は避けられるものではない。しかし、一般に知られる社会学の入門書においてそれらが包括されているかと言われたら疑問が残るのが現状である。そのような点で、本書のような態度は貴重であるとともに賞賛できるものである。
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