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日本の部活 文化と心理・行動を読み解く
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日本の部活 文化と心理・行動を読み解く

尾見康博(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ちとせプレス/トランスビュー
発売年月日 2019/02/01
JAN 9784908736117

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2025/05/16
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たまたま図書館で見かけて、気になって借りて読みました。分かってはいたけど、日本の部活が特殊であることが書かれています。教育課程外の「課外活動」であるにも関わらず、実質的に教員が顧問になることが強制されていて、顧問を引き受けるのは義務ではないのに強制されることは明らかに違法なのに、その状態がずっと続いている。 私は、私たち教員が自ら「顧問を引き受けません」と言うことをせずに、しぶしぶ引き受けてきたことにも責任があるとは思っているが、しかしどうしても、「やりません」と言えない現実がある。 日本の公立中学校では、ほとんどの生徒(と保護者)が学校で部活動ができることが当たり前だと思っていて、活動をするからには誰かが責任をもって面倒をみないといけなくて、現場の教員以外にそれを引き受ける人がいないのだ。「仕事じゃないからやりません」と言ったら即、目の前の子どもたちが放り出されてしまう。 でもまぁ、子どもたちと放課後に、好きなスポーツを楽しんで、心身ともに明るく健康になれるのなら、それでも良いだろう。しかし日本の部活はそれとも違う。 勝利を目指して、毎日休まず練習に励み、みんなのために自分を犠牲にし、時には顧問の教師に体罰を受けたり、罵声を浴びせられたりし、それでも「自分のために熱血指導をしてくれた」と感謝し、レギュラーになれなかったら3年間ベンチを温め続け、それでも「みんなと一緒に野球ができてよかった」などと言わされる。 日本の部活のおかしさを、色々具体的な例を挙げたりアメリカのスポーツチームと比較したりして述べていてとても興味深かった。当たり前だけど「納得!」と思ったのが例えば、日本の部活の熱血指導でありがちなものとして、「シュートを外したら腹筋10回させる」とかあるけど、腹筋をしてもシュートが決まるようにはならないので、シュートを外した時にはもっとシュートの練習をさせるのが正しいのに、合理的じゃない、的外れな指導だ、というもの。 ホントにその通りよね。でも日本の部活の指導法は一事が万事そんな調子で、「気持ちが大事だ」などと言って非科学的、非合理的な指導ばかりしている。そしてスポーツにしても音楽にしても、そもそも「楽しむ」ためにしているはずなのに、そこから大きく逸脱してしまっている。 著者は、このような問題点を改善するために2018年にスポーツ庁が示したガイドラインは方向性としてとても良い、理にかなっている、と述べている。2025年現在、このガイドラインが示されて、極力従うようになってきているが、熱心な部活動顧問はいろいろな理由をつけてこれを守らずに活動を続けている。「公式戦前だから毎日練習する、練習時間を長くする」などだ。「今だけ、例外的に」といいながらガイドラインを守らない時期が一年の半分近くあったりする。 そもそも部活動の指導がここまで熱血になり、勝利至上主義になったのは、実は明治時代の野球チームがきっかけらしい? そういう研究もあるのね。非常に興味深かったです。 この四半世紀、部活動指導で悩まされてきた中学校教諭である私が読んで、本当にその通りだ!と思うことが多かったので、現場のことをよく分かっていらっしゃる!と思いました。

Posted by ブクログ

2019/07/16

尾見先生とは何回かお話させていただいたこともありますが,研究の話をまともにしたことはなかった記憶があるので,ぜひとも読みたいと思っていた本でした。折しも,私自身がオートエスノグラフィーを学びたいと思っていた矢先に,本書がオートエスノグラフィーを用いて執筆されていることを知り,出...

尾見先生とは何回かお話させていただいたこともありますが,研究の話をまともにしたことはなかった記憶があるので,ぜひとも読みたいと思っていた本でした。折しも,私自身がオートエスノグラフィーを学びたいと思っていた矢先に,本書がオートエスノグラフィーを用いて執筆されていることを知り,出張の移動中に読んでみました。  なお,オートエスノグラフィーとは質的研究の一つで,個人的経験(自分自身の語り)をデータとして研究対象について探求することです。  自身の経験を基に分析したときによくある批判は「主観的」「根拠がない」だと思うのですが,本書はそのような批判を受け付けません。自身の経験を基にしながらも,それが独りよがりにならないようにきわめて冷静に,あるいは多角的に現象を見つめています。  本書の個人的な面白さは,部活論を日本文化論へと接合した箇所と,本書を通して導き出された部活(BUKATSU)への提言です。部活から日本文化を語るのはまさに文化心理学だなと感じましたし,具体的な提言があるのも心理学者の書物としては珍しいなと思いました。  私が拝読する限り,日本文化論も提言も尾見先生的には満足のいくものではなく,現段階での暫定的な結論だと感じましたので,今後のブラッシュアップが楽しみです。  ちなみに,以前から思っていましたが,尾見先生は口頭でのお話と,文章とのイメージが全然違うなあと改めて思いました。

Posted by ブクログ

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