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科学者と魔法使いの弟子 科学と非科学の境界
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2019/01/25 |
JAN | 9784791771349 |
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科学者と魔法使いの弟子
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
科学に関わる者として、「魔法の解き方」について考え直させられる本だった。 純粋に知りたいという好奇心や知識欲から生まれた発明であっても、社会や政治と無関係に存在することはできない。また、研究にはスポンサーを必要とする以上、大衆に分かりやすくアピールして理解を得なければならず、その...
科学に関わる者として、「魔法の解き方」について考え直させられる本だった。 純粋に知りたいという好奇心や知識欲から生まれた発明であっても、社会や政治と無関係に存在することはできない。また、研究にはスポンサーを必要とする以上、大衆に分かりやすくアピールして理解を得なければならず、その過程で多少都合よく誤解されても構わないと考えてしまう現実もある。 科学技術によって人間社会は発展してきたが、そのひとつの結果として核戦争や原子力の問題だけでなく、不可逆なレベルの環境破壊や人間の疎外のような問題も生じている。 個人的にはそれでも人間の科学技術は立ち止まれないと思う。悪用されたときのリスクがどれだけ高くとも、探求心自体に悪意はないのであるし、結果として今ある問題を解決してくれる可能性がある限り誘惑には抗えないだろう。 ただ、科学に関わる限りは社会への影響を忘れてはならないし、何を明らかにするかだけでなく、「何を明らかにしないか」も考えていくことが人間の少しでもましな未来に繋がるのではないかと思った。 本の内容はやや読みにくく、書かれてあることが事実なのかどうか疑問に思うところもあったが、問題意識と合う内容だったので興味深かった。
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副題が科学と非科学の境界、とあるがこれにあたるのは一部分であり、多くは原子力との関連である。 新しいのは1章だけで、ほかは現代思想に投降した原稿をまとめたものであった。 2章が副題の主な内容を示している。千里眼実験は心理学で有名であるが、理研の水銀還金実験や人工ラジウム製造実...
副題が科学と非科学の境界、とあるがこれにあたるのは一部分であり、多くは原子力との関連である。 新しいのは1章だけで、ほかは現代思想に投降した原稿をまとめたものであった。 2章が副題の主な内容を示している。千里眼実験は心理学で有名であるが、理研の水銀還金実験や人工ラジウム製造実験の話はほとんどほかの本では書かれていない。特に水銀還金実験で長岡半太郎という物理学者が行ったことは、どの教科書にも出てこない。イタリアの錬金術と同じことを理研がやっていた。また人工ラジウム製造実験では仁科芳雄がある手段を使って理研でサイクロトロンを製造するために宣伝を行ったことは、物理学の教科書にも何も出てこない。湯川秀樹がサイクロトロン製造にかかわったが、戦後方向が変わった理由も書いてある。 フォン・ノイマンがコンピューターの父として必ず情報の教科書には書かれるが、マッド・サイエンティストと呼ばれていることはひとことも書かれていない。 科学史のテキストととして最適であろう。
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石井ゆかりさんがTwitterで本書をあげていたので、読んでみた。 著者は、長崎大学原爆後障害医療研究所助教。 タイトルと、ゆかりさんがあげていたことから、自分が考えていた内容とは全く異なるものだった。 占いなど非科学と、科学の違いを語るようなものかと思っていたが、実際は、原子...
石井ゆかりさんがTwitterで本書をあげていたので、読んでみた。 著者は、長崎大学原爆後障害医療研究所助教。 タイトルと、ゆかりさんがあげていたことから、自分が考えていた内容とは全く異なるものだった。 占いなど非科学と、科学の違いを語るようなものかと思っていたが、実際は、原子力をとりまく科学、科学者の歴史。 まあ、著者がその道の方だもんな。 確かに、核エネルギーを使うことはできても、その力を完全に封じる術を知らない科学者(科学者のみならず、全人間が知らないのだが)は、『魔法をかけるのとはできても魔法を解くことができない科学者たちは、魔法使いではなく、魔法使いの弟子であった。』だ。 じゃあ、魔法使いは、何処にいて、いつ出てくるんだろうか。。と、思わずにはいられないし、その存在を信じたい(力を完全に封じる術を知って、はやく原発問題を終わりにしてほしい、という気持ちで。) でも、そんなものを知ったら、「完全に綺麗にできるんだから、一発使っても問題ない」なんて輩が出てくるかもしれない。とも思う。。 人間とは、どこまで愚かなんだろうか。。。 錬金術をイメージしながらの原子の研究から端を発した原子力研究は、いつしか神の領域の名前が付けられていく。 ローマ神話における冥府を司る神プルートにちなみ、プルトニウムと命名された放射性元素。 アラモゴードの砂漠で行われた核実験「トリニティー(三位一体)」。 そんな名付け方に恐怖を感じながら、人間が立ち入ってはいけない領域に入ったことは無意識には感じていたのよね?と、思いたくなる。 決して、自分たちが神になれると思って名付けたのではないと思いたい。 一番初めは、新しいものを見つける。作る。ことを楽しいとしていた科学的好奇心だったのに、暴走してしまうのは、人間の性かもしれない。 第6章が、個人的には一番読みやすく、面白かった。 これは、シン・ゴジラを計5回、映画館で観たほど、ハマったことが理由。 第1部 ファウストの末裔 科学は脱魔術なのか? 第1章 原子力をめぐる錬金術物語 想像される科学技術と召喚される魔法の言葉 第2章 「科学者の自由な楽園」が国民に開かれる時 STAP/千里眼/錬金術をめぐる科学と魔術のシンフォニー 第3章 疎外されゆく物理学者たち 加速器から原子力まで 第2部 メフィストの誘惑 いつまで「人間」でいられるのか? 第4章 ノイマン博士の異常な愛情 またはマッド・サイエンティストの夢と現実 第5章 恐竜と怪獣と人類のあいだ 恐竜表象の歴史をたどって 第6章 ゴジラが想像/創造する共同体 「属国」としての「科学技術立国」
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