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あひる 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/01/24 |
JAN | 9784041074435 |
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商品レビュー
3.8
225件のお客様レビュー
表題作の「あひる」、他2編からなる短編集。他2編は内容が少し繋がっている作品。 「あひる」ある日、家にあひるがやってきた。名前はのりたま。近所の子ども達がのりたまを見に家にやってくるようになる。 のりたまが病気になったので、お父さんが病院に連れて行く。戻ってきたあひるは、前のあ...
表題作の「あひる」、他2編からなる短編集。他2編は内容が少し繋がっている作品。 「あひる」ある日、家にあひるがやってきた。名前はのりたま。近所の子ども達がのりたまを見に家にやってくるようになる。 のりたまが病気になったので、お父さんが病院に連れて行く。戻ってきたあひるは、前のあひるとどこかが違う…。 個人的には、純文学の中でも読みやすい作品でした。 短編で、かつ「あひる」という物語を追うのに分かりやすい生き物が出てくるからでしょうか。 よくある日常の出来事のように見えて、何かがおかしい。 戻ってきたあひるが前のあひると少し違うことだけでなく、それ以外にも「ん?」という違和感が至るところに散りばめられています。 再読すると、スッキリするどころか違和感は増えていきます(汗) 読み進めるごとに、心がざわざわするような感じ。今村夏子さん、良いです!
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表題作は両親のあひるへの愛情を1ミリも感じられません。玩具が壊れたら新しい玩具に買い換えるみたいに弱ったら新しいあひると交換。それも最初の「のりたま」として飼う所が不気味。生まれて来る孫に何かあったら…。考えたら怖い怖い。語り手の彼女もちょっと謎の存在。 「おばあちゃんの家」と...
表題作は両親のあひるへの愛情を1ミリも感じられません。玩具が壊れたら新しい玩具に買い換えるみたいに弱ったら新しいあひると交換。それも最初の「のりたま」として飼う所が不気味。生まれて来る孫に何かあったら…。考えたら怖い怖い。語り手の彼女もちょっと謎の存在。 「おばあちゃんの家」と「森の兄妹」は繋がっていると思うのだけど、インキョのおばあちゃんがどんどん元気になっていったのはモリオのおかげなのか?窓が1つしかない小屋のような家というのも怖さを感じてしまいました。 文字も大きくて淡々と読みやすい文章。ページ数も少ないけれど、ちょっとゾクッと来る物があります。そして、読み終わった後もあれはどういうことだったのかな…と考えてしまうような後を引く作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「のりたま」という名前のあひるは両親にとっては近所の子供たちの気を引くものでしかない。だから、あひるが死ねばこっそり新しいあひるを連れてくる。どう見ても「のりたま」とは違う「あひる」なのに両親は同じ「のりたま」だと言う。子供は違うことに気づいているのに、両親は子供たちの気を引くために常に「あひる」を飼い、子供たちの誰かの誕生日会のためのご馳走を準備をし、結局子供たちが家に来なかった場面は胸がはち切れそうだった。 しかし、そんな両親に孫ができると、今度は孫を溺愛する。子供たちも結局交換可能な存在であることに虚しさを感じた。
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