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カッコーの歌
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2019/01/21 |
| JAN | 9784488010850 |
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カッコーの歌
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商品レビュー
4.1
32件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
池に落ちて記憶を失った少女・トリス。目覚めてから異常な空腹に苦しみ、いつも身体には枝や葉が纏わりついている。原因を調べていく内に、近づく者を刺す人形、人を飲み込む影、そして異形のはぐれ者「ビサイダー」といった、不可思議な者達と出会い、その世界に足を踏み入れていく。 ビサイダーの描写が薄い点は惜しまれるが、ホラーやファンタジー、成長譚、そしてマイノリティの寓話という多岐にわたる要素が、高い完成度で統合された傑作。個人的にかなり面白かったので、以降は特に印象的だった点を記載します。 本作の真価は、物語が中盤に差し掛かり、真相が発覚した時です。チェンジリングによって人間の少女とすり替えられていたトリスタは、記憶を失っていたのではなく、そもそも“偽物”であり、怪物でした。この事実を知った彼女の物語は、“失われた記憶”を求める「自分探し」から、攫われた本物の少女・トリスを探索し、空っぽだった自分を構築する為の「自分探し」へとシフトします。 この「かつての自分(トリス)の探索」と「今の自分(トリスタ)の構築」というストーリーが特に目を惹きました。相克する二人を両方とも助けようとする、無茶なお題目が、本作で特にユニークな特徴でした。 本物のトリスの記憶に翻弄され、時に苦悩しながらも、トリスタが自らの意思と経験によって、新しい「自分」を紡ぎ上げていく過程は、非常に面白く、そして切ないお話となっています。 もう一点は、トリスタとビサイダー達との関係です。偽物として拒絶されたトリスタと、人間でないという理由で潜伏を強いられるビサイダー達は、最大の敵であるにも関わらず、境遇が鏡のように呼応しています。排除され、居場所を失った者たちが、新たな世界に自分の立ち位置を作ろうとする構造は、現実社会におけるマイノリティの姿とも重なります。 『カッコーの歌』は、異形の者を主役に据えることで、逆説的に「人間らしさとは何か」を問いかけてきます。設定そのものは過去の作品で目にしたことがあるかもしれませんが、本作はトリスタというキャラクターを視点の中心に据えたことで、これまでにない「怪物側の冒険譚」として、ユニークな物語を紡ぎ出しました。 まがい物だった偽物の少女が、それでもなお「本物になろう」とする姿は切なく、怖く、優しく、胸を打つ。極上の異界譚となっています。
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海外文学ならではの表現と世界観にワクワクした。 押し付けがましくないけれどストレートな名言が多く、ファンタジーの世界観も相まって入って来やすい。 やっぱりこの作者の文体は長編ながらもスラスラと読めて、世界観に没頭できるのが良い。 自分というものを形作るのは何かということを11歳の...
海外文学ならではの表現と世界観にワクワクした。 押し付けがましくないけれどストレートな名言が多く、ファンタジーの世界観も相まって入って来やすい。 やっぱりこの作者の文体は長編ながらもスラスラと読めて、世界観に没頭できるのが良い。 自分というものを形作るのは何かということを11歳の純粋で複雑な少女に教えてもらえる。 ハサミや小道具の使い方がやっぱり素敵だと思う。 子供だろうが親だろうが、人間なら複雑で不透明で、関わり方によって見え方が変わるし、間違えることもある、人間臭い人物描写もこの作者のお気に入りの点。
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「あと七日」 池に落ちて意識を取り戻したトリスの耳に囁かれる声。 おぼろげな記憶。 耐え難いほどの異常な食欲。 声を上げて動き出す人形。 その人形を食欲に導かれるままに食べてしまう。 十一歳の娘、トリスの身に何が起こっているのか。 「嘘の木」がとても素晴らしかったのでハーディ...
「あと七日」 池に落ちて意識を取り戻したトリスの耳に囁かれる声。 おぼろげな記憶。 耐え難いほどの異常な食欲。 声を上げて動き出す人形。 その人形を食欲に導かれるままに食べてしまう。 十一歳の娘、トリスの身に何が起こっているのか。 「嘘の木」がとても素晴らしかったのでハーディング作品をもうひとつ読んでみようと思い手に取りました。 どファンタジーだなぁ。 「嘘の木」はミステリー、サスペンス、ファンタジー、冒険、そして少女の成長と、良い感じに配分されていて、そこが素晴らしかったのよ。 でも今回はファンタジーに寄りすぎだなぁ。 これが本来のハーディングなのか、そうでないのかは分からないけど。 中盤までは辛い。 なにがなんだか分からない状態が続くので。 後半はいいね。 特に女3人チームでの冒険。第一次大戦終戦直後のイギリスを舞台に、少女2人をサイドカーに押し込んでバイクでぶっ飛ばすのは想像してもカッコイイ。 列車の場面もいいな。 「嘘の木」のレビューでも書いたけど、今作も是非ジブリあたりでアニメ化して欲しい。 かなり相性が良さそうな気がするんだよな~。 本で読むと分かりづらかったり、くどそうな部分も、アニメ化することでスッキリできると思う。 なんとなくだけどストーリーは全く違うのに空気感が「ハウルの動く城」っぽいなとも感じた。 関係者さん見てる? 早く作者や出版社と話付けてツバつけないと他に取られちゃうよ。 ジブリの知り合いの知り合いの知り合いでもご存じの方は、勧めてあげてください。 がっつりなファンタジーで、しかも主人公は十一歳の女の子で、なかなか自分には入り込むのが難しい作品だったけど、悪くはないんだろうと思う。 発想はおもしろい。 俺には合わなかっただけで。 ま、まあ、よくあることや_| ̄|○ う~ん。もう1作くらい読んでみようかな~。 どれにしようか……。
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