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ミドルマーチ(1) 光文社古典新訳文庫
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ミドルマーチ(1) 光文社古典新訳文庫

ジョージ・エリオット(著者), 廣野由美子(訳者)

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ミドルマーチ(1) 光文社古典新訳文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2019/01/08
JAN 9784334753924

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商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2023/03/08

本年ベストの読書体験になる予感がする!!!ヴィクトリア朝を代表する作家、ジョージ・エリオットの最高傑作。 ミドルマーチとは、イングランド中部に設定される架空の地方都市の名前である。本作は19世紀前半、産業革命の影響により、社会に大きな変動が起こっていた時代――資本主義経済や民主...

本年ベストの読書体験になる予感がする!!!ヴィクトリア朝を代表する作家、ジョージ・エリオットの最高傑作。 ミドルマーチとは、イングランド中部に設定される架空の地方都市の名前である。本作は19世紀前半、産業革命の影響により、社会に大きな変動が起こっていた時代――資本主義経済や民主体制への移行、その結果として生み出された新たな階級社会、揺れ動く人心の独特な雰囲気――のなかで、二人の主人公を軸に、多層化する人々の生活・心理を幅広く描いた作品である。それぞれの宗教・信条・階級・経済力・年齢・性格などから、当時の社会と人間精神を深くえぐり出している。 知的で美しい人妻・ドロシアと、高潔な理想を掲げる青年医師・リドゲイトの二つの物語が交差して作品世界が構築されていく。この構造は、トルストイの「アンナ・カレーニナ」に通じるものがあり、初読ではダレてしまうほど長い文章でありながら、読み込むほどに理解と味わいが深まっていくところも共通していると思う。 やはり多くの名作文学にも共通する、人物の掘り下げと描写がすごい。身分としては今のところ地主階級の上下あたりの層がメインだが、年齢的にも立場的にも様々な人物が登場しては、次々と面白いキャラクター性を見せてくれるので、興味がつきない。 本巻での最大の読みどころは、新婚旅行における最初の衝突のシーンだ。詳細はネタバレしないが、最初はよくわからなかったので、二度三度と読み直した。人間心理の機微をよくもこれほど仔細に書き込めたものだと感心。さらに、これは個人的なことすぎるのでわからない人にはわかってもらえないとは思うが、カソーボン氏の秘めている悩みに強く共感する!それなんだよそれ、それで悩んでいるんです私……。ざっと一読しただけではよくわからないドロシアとカソーボンの心理バトルも、巻末の読書ガイドを読むとよくわかるのでご安心を。こんなカソーボンを批判するのがラディスローだが、彼自身、欠点をカソーボンに見抜かれているという、このあたりの人間描写の細やかさ、鋭さには驚かされる。 各章の頭には題辞が掲げられ、最初はよくわからないものの、あとで読み返すと意味がわかるような暗示的な内容で、小説の面白さ、味わい深さに彩りを添えている。 本作には『地方生活の研究』という副題がついており、舞台となる1829~1831年のイングランドにおける、宗教や精神文化、経済や階級などといった当時の社会的背景についての理解が、読み解く上で必要になってくる。そこが本作を重層的で奥深い作品世界にしている魅力でもある。自分はこのあたりも巻末の読書ガイド頼みで、さらに掘り下げて調べるのも興味深いところだが、さしあたり小説を楽しむにはこれで十分かも。 1巻を読んだだけでこの充実度!個人的には昨年通読して自分ベストになった「アンナ・カレーニナ」に迫る読書体験になりそうで、今から期待している。

Posted by ブクログ

2023/03/08

心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興...

心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

Posted by ブクログ

2022/06/06

サイラス・マーナーの感触が良かったので、安心して手に取ってみたのだが。。。 結構読みにくい。情報量が多いわけではないんだが、感情移入できないというか。この人の作品は姫野カオルコさんの作品にも通づる、ジェンダー縛りな世の中の生きづらさと戦うことへのアホらしさと大事さを通して「死ぬま...

サイラス・マーナーの感触が良かったので、安心して手に取ってみたのだが。。。 結構読みにくい。情報量が多いわけではないんだが、感情移入できないというか。この人の作品は姫野カオルコさんの作品にも通づる、ジェンダー縛りな世の中の生きづらさと戦うことへのアホらしさと大事さを通して「死ぬまでにどんだけ自分に対して頑張れたのかよお前」っていうのがテーマで。頭からっぽな人間に限って表面しか見えないグレーズドドーナツみたいな考えを人に押し付けるが、しかし本質を知っている人間が幸せかと言ったらそーでもないんだよな。

Posted by ブクログ

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