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原州通信 韓国語でもよめる 韓国文学ショートショート きむ ふな セレクション〇五
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原州通信 韓国語でもよめる 韓国文学ショートショート きむ ふな セレクション〇五

イ・ギホ(著者), 清水知佐子(訳者)

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原州通信 韓国語でもよめる 韓国文学ショートショート きむ ふな セレクション〇五

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 クオン
発売年月日 2018/10/31
JAN 9784904855805

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原州通信

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商品レビュー

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2026/06/12

右から開けば縦書きの日本語、左から開けば横書きのハングル文字で読めるようになっている。こちらの「韓国文学ショートショート」シリーズのようだ。 https://cuon.jp/book/shortshort こちらはイ・ギホによる『原州通信』だが、話のネタとして韓国大河小説で朴景...

右から開けば縦書きの日本語、左から開けば横書きのハングル文字で読めるようになっている。こちらの「韓国文学ショートショート」シリーズのようだ。 https://cuon.jp/book/shortshort こちらはイ・ギホによる『原州通信』だが、話のネタとして韓国大河小説で朴景利による『土地』が分かっているともっと面白いらしい。 https://cuon.jp/toji/ === 語り手は男性で、彼が小学生の頃、近所に作家の朴景利が引っ越してきた。近隣はローンで新興住宅に引っ越した人たち。近所の作家の小説がドラマ化されて、当時の国民的アイドルが主役を演じたことから、勝手な親しみを持ったり嘘の自慢話で「あの先生とは知り合いだ!小説のモデルは私だ!」なんて言っている。 主人公の少年も学校で「ぼくは朴景利おばあさんとは知り合いさ。主役アイドルとも会うことになってるんだ」などと嘘八百を並べて「あいつは大作家朴景利の孫らしい」などと一目置かれている。 主人公は大学生の時に引っ越しをした。新興住宅のローンは終わり、近所の人達も別のところに引っ越している。主人公は相変わらず朴景利先生との繋がりはない。ただ一方的に何度か朴景利先生の家をピンポンダッシュしたこと、先生の家の角に植えられている木の下で喫煙してポイ捨てしていたこと。だが何年も同じ小説、『土地』を書き続ける朴景利先生には勝手に思いを巡らせていた。 主人公は大学を卒業したら、不況?で全く就職できない。家でゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロするだけ。そんなある日小学校の時のほとんど覚えていないようなクラスメートのパク・ヨングから「久しぶりだな!会おうぜ!」と連絡が来る。本当に久しぶりの友達との会話、人との約束、用があって外に出るということに喜ぶ主人公は、全財産の小銭でてくてく歩いてヨングの指定した場所に向かう。 そこは普通の住宅街の、一見普通の家なんだけど、中身は女性がお酒の相手をしてくれるクラブだった。しかも朴景利の『土地』を勝手にコンセプトとして使っている。お店の余生たちは主人公にとっても愛想が良く、彼は勧められるままに酒を飲み、飲んで、飲んで、飲んで、酔いつぶれる。帰ろうと思った時にヨングから「これよろしく」と紙を渡される。それは「朴景利はこの店が自分の小説をコンセプトとしていることを認める」という書類だった。ヨングは高級倶楽部を作ったものの、勝手に有名作品を名乗っているので地域や作品ファンからも目をつけられているらしい。そこで小学校の同級生の主人公が「朴景利の孫」という噂を思い出して、彼を利用したのだ。 断れば超高額の飲み代を請求されるとして主人公は書類を朴景利先生のところに持っていって、承認してもらわなければいけない。交通費さえ持っていない主人公は、夜中にてくてくてくてくてくてくてくてく歩いて朴景利の家に向かう。酔いが冷めつつある頭の中で朴景利と会話する。朴景利は「ああ、そうだったんだね。泣くんじゃないよ」と受け止めてくれる。長い道のりで朴景利先生に着き、玄関に座り込み、頭の中で会話を続ける。 朴景利先生は、はとっくにその家を引っ越しして、もう誰もいなかったのだ。 それからまた何年も経ち、朴景利先生の『土地』が完結した。新聞記事によると、記者からの「どうしてそれだけ長い間一つの小説を書けるのか?」という質問に朴景利先生は「ただ、ひたすら何かを問い続ける」と答えたそうだ。その記事を読んだ主人公は「そうです!それで十分ですとも!」と声を上げた。 === まったく、しょうもないねえ。 自分が身内でなければそう声を掛けてあげたくはなる・笑 主人公の周りの人たちも、近所の人が有名人だってことで勝手に「あの人は知り合い!小説のモデルは自分!」なんて言っているし、主人公も似た感じではある。それでも主人公にとっては「なぜそんなに長い間、一つのことができるんだ」という疑問の体現化したものが作家先生なんでしょうね。 にっちもさっちも行かなくなった時には頭の中で都合の良い会話を妄想するんだけど、弱った時に祈りみたいなものを捧げる相手としてのちょうどいい相手だったんでしょうね。 作家のインタビューがあった。 https://k-book.org/2019kbf/leekiho_interview/

Posted by ブクログ

2025/12/18

何の気なしに生きてきた主人公に、昔の同級生から突然かかってきた電話。その電話によって、主人公の人生にさざ波が起こる。 韓国の田舎で起こった、小さな物語。

Posted by ブクログ

2025/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先日読んだ『舎弟たちの世界史』がめちゃくちゃよかったので本作にも手を伸ばしてみたら、これまたすごく私好みの作品ではないですか…!! 『舎弟たちの世界史』では史実や時代背景、社会の歪み等が事細かに描かれていたが、本作は単なる年代や年齢の記載のみにとどまっており、一見ただのやらかしがちな情けない男の笑い話のように読める。 しかし、作者が本作においても時代背景を意識しているのは明らかで、それはこの物語が1980年にはじまり、その後1987年、1998〜1999年と、おそらく韓国人にとっては一瞬で「ああ、あの年か」と推察できる類の年代に、主要トピックスが配置されていることからも伺えるだろう。 1980年といえば光州事件、そして全斗煥政権の開始した年である。「あらゆる圧力ととんでもないストレスを甘んじて受けていた、そんな時代」p3だったという。また、6月民主抗争がおこりデモが全国規模にまで拡大した1987年については、「だれもかれもがお互いに『八つ裂きにして、飢え死にさせてやる!』と叫んだために、国中にうすら寒い空気が流れたりもした」p5と書いている。 そして、主人公が「部屋の床と渾然一体となって以心伝心で暮らしていた」1998〜1999年は、言うまでもなく、IMF危機の影響で失業者が大量にあふれ出ていた時期に相当する。 (ちなみに付言するならば、朴景利が『土地』を書き終えた1994年には、聖水大橋崩落事故が発生している(三豊百貨店崩壊事故はその翌年)。急速な経済成長のなかで杜撰に築かれたこれらの建造物の崩壊は、それまで経済成長を至上命題として突き進んできた韓国社会そのものの崩壊を象徴する出来事として語られることが少なくない。) 語り口は非常にユーモラスだが、韓国激動の近現代史を念頭において本作を読むと、この滑稽な主人公の言動がなんだか切なく、かなしみを帯びて見えてくる。 IMF危機のあおりを受けて社会から取り残された主人公は、「それ以外に、言葉を発する機会がなかった」とひたすら本を読み、音読を繰り返す。そうしなければ「言葉を忘れてしまう」気がして。 また、就職面接で「漢拏山をソウルに移すには」という、はなから合格させる気などないナンセンスな質問をぶつけられた彼は、自問自答の一人芝居の中でこれを先輩作家に「馬鹿げている」と共感させることによって、自身が人として不当に扱われたかなしみを噴出させる。 「識字=権力、力」の文官優位な科挙制度や儒教的価値観が根強く保たれてきた朝鮮半島の歴史の中で、また朝鮮語禁止や言論統制が幾度となく敷かれてきた近現代の苛酷な軌跡の中で、もはや「言葉=力」「言葉を奪われないために抵抗する」という感覚を韓国の人々が国民全体レベルのかなり深い部分で内在化しているように私には感じられてならないのだが、『原州通信』の根本的なテーマもやはり、この「言葉の獲得」にあるのではないか。と、そう考えるのは、些か穿ち過ぎだろうか…。 しかし、「ぼくはそれでも人間だったから、ほんとに床と一心同体になってしまったわけじゃなかったから」という主人公の語りには、かの傑作映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』で読み上げられた手紙「私はダニエルブレイク。人間だ、犬ではない。当たり前の権利を要求する。敬意ある態度というものを。私はダニエルブレイク。一人の市民だ。それ以上でも以下でもない」と同じく、人権の主張が含意されているように私には思えた。 不条理な社会のなかで不当な扱いをうけ、人としての尊厳を失ってしまいそうになった男が、自問自答を繰り返す孤独な営みから言葉を紡いでいく。そんな話だと私は解釈した。

Posted by ブクログ

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