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原州通信 の商品レビュー

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2024/02/11

『土地』を書いた作家がいて、作家志望のぼくは高級クラブ「土地」に案内され、クラブを運営するヨングに"土地"の商号使用権を認めさせる内容の書面を渡されてはっとする。 ただ、最後の「そうです。そうですよ。それで十分ですとも」が、解説にあるような先生に対する&quo...

『土地』を書いた作家がいて、作家志望のぼくは高級クラブ「土地」に案内され、クラブを運営するヨングに"土地"の商号使用権を認めさせる内容の書面を渡されてはっとする。 ただ、最後の「そうです。そうですよ。それで十分ですとも」が、解説にあるような先生に対する"感謝"であったとは、ちょっと読めない。それは、作品内在的解釈であればそうなのかもしれないが、作品外在的な解釈、作品の外側から見た解釈でいくなら、単純に考えすぎかもしれないが、この作品は朴景利の作品に対するオマージュ、パロディというか、風刺的な意匠が込められているという印象を受ける。つまり、感謝と表されたのは感謝ではなく、逆転して、からかってやろうとか、土地のクラブを書いてやったぞというしてやったり感であって、そこにこの作品の本質があり、作者はそれをあえて言わずに封印しているのだろう。そういう多様な読みを許す面白いテクストだという感じだ。

Posted byブクログ