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壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2018/10/26 |
| JAN | 9784000613002 |

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壁の向こうの住人たち
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商品レビュー
4.1
18件のお客様レビュー
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トランプ再選に伴って、アメリカ右派の考えを知る一冊として読んだ。これはトランプ1期目の前、ティーパーティー運動が全米を席巻していた頃の本なのだが、ホックシールドが描いていた問題は何ら解消しておらず、むしろ重篤化している。 右派であれ左派であれ、人々は「その人のなかで真実だと感じ...
トランプ再選に伴って、アメリカ右派の考えを知る一冊として読んだ。これはトランプ1期目の前、ティーパーティー運動が全米を席巻していた頃の本なのだが、ホックシールドが描いていた問題は何ら解消しておらず、むしろ重篤化している。 右派であれ左派であれ、人々は「その人のなかで真実だと感じられる物語」を生きている。本書ではそれを「ディープストーリー」と呼んでいる。アメリカ右派のディープストーリーというのは以下のようなものだ。 自分たちは何の援助もなく、アメリカンドリームを掴むために耐えてきたのに、「リベラル」は自分たちを差し置いて、自分たちの金を使って他の人を優遇する。「誰を優遇すべきか」はリベラルのお眼鏡にかなうかどうかで、自分たちはそのフレームの外側にいる。 実際、1950年生まれ以降のアメリカ人のほとんどは経済成長の恩恵を充分に受けられていない。アメリカでは貧富の差が広がることで良い暮らしを手に入れる難易度が上がっているが、DEIのおかげで白人はもっと厳しい思いをしているという自認がある。この感覚を端的に言い表したのが以下の表現だ。 右派の人々のディープストーリーの中では、税金を「払う者」と「奪う者」という文脈で「不当」が語られる(pp.213) 最近の国民民主党の躍進を見ていると、日本もこの領域の手前にいるのだと強く感じる。 では、ディープストーリーを信じている右派は「嘆かわしい人たち」なのだろうかというと、そういうわけではない。 様々なマイノリティが同情をひくなかで、エネルギー産業という「地球を救うのに役立たない領域(pp.300)」で働いてきた白人男性は置き去りにされた。そして1970年代以降、アイデンティティ・ポリティクスと「被害者性の時代」が理念としての公正さ(フェアネス)を消し去ってしまった。その結果として、多くの白人男性が「政治的正しさを取り締まる警官」に見張られているように感じていたのだ。(pp.323) > 米国で生まれた異性愛者の白人男性は、ほかのアイデンティティが脚光を浴びた1960年代と1970年代に、時流に取り残されて、長年、ジレンマに直面してきた。これに対し、トランプは、解決策を示した。白人男性にとってトランプは、アイデンティティ・ポリティクスを提唱する候補者だったのだ。(pp.326) トランプは白人男性にとってのアイデンティティ・ポリティクスであるという指摘が重い。知識人がリベラルなアイデンティティ・ポリティクスを擁護してきてしまった以上、この流れは止めづらい。 もちろん、アメリカの崩壊は様々な要因によって起こっているのだが、社会統合が主因の一つだということは言えるだろうし、その理解のためにも一読を勧めたい。
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なぜ分断は、なぜ起きるのか?ーお互いの現実を理解していないから。 なぜ、環境被害を受けているのに環境規制に反対するのか?ー「産業活動による大気汚染は環境にとって危険」だと思うが、「人類の進歩が環境を損なうことについて、人々は心配しすぎている」と思っているから。 なぜ、共和党トラン...
なぜ分断は、なぜ起きるのか?ーお互いの現実を理解していないから。 なぜ、環境被害を受けているのに環境規制に反対するのか?ー「産業活動による大気汚染は環境にとって危険」だと思うが、「人類の進歩が環境を損なうことについて、人々は心配しすぎている」と思っているから。 なぜ、共和党トランプ支持をするのか?ー自分たちと同じ考えで推進してくれると信じているから。 これらの疑問の回答が、少しわかった気がする。 右派の共通認識の検証結果、ほぼ間違っている事実を伝えられても、残念ながら、簡単には受け入れられないのだろう。全体の数ではなく、目の前に(本当はないがあるように)見える事実の方が、真実なのだ。 その汚染された土地を愛し、その土地からは寝られない人たちにとっては、自分たちのリスクを政府や左派が見下して勝手に外から押し付けてきているように思うのだ。 そして、「列に並ぶ」自分たちの前に「割り込む」物に対してズルいと思う。 一方、「右派の人々は裕福な人々に共感し、左派は、貧しい労働者に心を寄せる傾向がある。」 2018年に発行された本が今、まだ同じ構図で分断が続いている。
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