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みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ころから/トランスビュー |
発売年月日 | 2018/09/06 |
JAN | 9784907239282 |
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みな、やっとの思いで坂をのぼる
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商品レビュー
4.6
7件のお客様レビュー
水俣病で苦しむ人々、声高に自らの苦痛を叫ばなかったひとたち、叫べなかったひとたち、そうしたの思いをすくい上げ記録した、とても貴重な記録。 新聞やテレビの報道を通して、ユージン・スミスの写真やその生涯を通して、あるいはジョニー・デップの映画を通して、水俣については知識を得、思いを...
水俣病で苦しむ人々、声高に自らの苦痛を叫ばなかったひとたち、叫べなかったひとたち、そうしたの思いをすくい上げ記録した、とても貴重な記録。 新聞やテレビの報道を通して、ユージン・スミスの写真やその生涯を通して、あるいはジョニー・デップの映画を通して、水俣については知識を得、思いをよせてきてはいた、 しかし、この『みな、やっとの思いで坂をのぼる』に記された、水俣病に冒された人々の言葉を思いを読むと、いままで何もわかっていなかった、と思う。 見えなかった(見ようとしなかった)ものが目の前に現れたようにも思える。 この国の政府の非道は今も昔も変わっていない。 被害者救済よりも国や企業の利益を守り、認定基準を変え、いくつもの水俣病を生み出し、苦しむ人たちが精根はてて「もう、いいです」と言うのをまつような施策。 「3分間でマイクオフ」がいかに水俣の人たちを、私たちを愚弄したものであるのか、 ここに綴られた人々の声を読むとよくわかる。 著者の、水俣病を水俣でおきたことを、無かったことにはさせないという思い、水俣病事件は犯罪である、という言葉を、心に刻む。 著者が患者と接するときの苦しみを、患者の痛みを前に何もできない自分が不甲斐ないと、石牟礼道子さんに吐露した時 石牟礼さんは、「悶え加勢(かせ)すれば良かとです」 「むかし水俣ではよくありよりました。苦しんでいる人がいるときに、その人の家の前を行ったり来たり。ただ一緒に苦しむだけで、その人はすこぉし楽になる」 その言葉で、著者はこうして患者たちに寄り添い、その苦しみをまとめ伝えていくことを心に決めたとのこと。 著者の苦しみや、思いには爪の垢ほども及ぶべくもありませんが、私も、水俣を、福島を、パレスチナを、思い、苦しみ悶え、こうして書き、伝えることで、加勢したい、と思いました。
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水俣病センター相思社の永野さんの単著。 今年の5月、環境大臣と水俣病被害者団体との懇談で、環境省の職員の人が被害者の方の発言の途中でマイクの電源を切るという事件があった。 著者の永野さんもその場にいらしたとうかがった。 この本には、これまでずっと誰にも話さなかったことをようや...
水俣病センター相思社の永野さんの単著。 今年の5月、環境大臣と水俣病被害者団体との懇談で、環境省の職員の人が被害者の方の発言の途中でマイクの電源を切るという事件があった。 著者の永野さんもその場にいらしたとうかがった。 この本には、これまでずっと誰にも話さなかったことをようやく話し始めた人たちの話がいっぱいにつまっている。 これだけ苦しんで苦しんできた人たちの話をさえぎるって、どういうことなのだろう。自分が直接の加害者じゃない、という思いだったりするんだろうか。
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被害者が「今」語ることに耳を傾ける。矛盾の中で被害者とともに身悶えする。時代は変わり直面する課題も変わったように見えるが、大切なことは変わらない。著者の姿勢や眼差しは、間違いなく石牟礼道子の直系だ。石牟礼が口寄せの巫女の様な「聖性」を感じさせるのに対し、著者には、何物にも寄り添い...
被害者が「今」語ることに耳を傾ける。矛盾の中で被害者とともに身悶えする。時代は変わり直面する課題も変わったように見えるが、大切なことは変わらない。著者の姿勢や眼差しは、間違いなく石牟礼道子の直系だ。石牟礼が口寄せの巫女の様な「聖性」を感じさせるのに対し、著者には、何物にも寄り添い苦しみを共にする菩薩のような「聖性」を感じる。水俣病とそれをめぐる動きに詳しいわけではないが、水俣の今を知るための必読書ではないだろうか。
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