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その姿の消し方 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/07/28 |
JAN | 9784101294773 |
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その姿の消し方
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商品レビュー
4.3
22件のお客様レビュー
文芸作品を読み、源流を辿っていくことの楽しさと、それに伴う切なさを、中編小説として表現したような物語。
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留学生時代にフランスで手に入れた古い絵葉書。その裏にはアンドレ・ルーシェという人物から女性に宛てて、短い詩が書きつけられていた。十年以上の時を経て再びフランスを訪れた「私」は、ルーシェが書いた別の葉書を探しだし、この謎の詩人の消息を辿ることにする。 最近探し物をする小説ばかり...
留学生時代にフランスで手に入れた古い絵葉書。その裏にはアンドレ・ルーシェという人物から女性に宛てて、短い詩が書きつけられていた。十年以上の時を経て再びフランスを訪れた「私」は、ルーシェが書いた別の葉書を探しだし、この謎の詩人の消息を辿ることにする。 最近探し物をする小説ばかり読んでいる気がする。それはもしかすると、小説とは何かという問いの答えになりうるのかもしれない。文字を追い、そのなかでしか見つけられないものを探しだそうとすること。本を閉じたとき、"探す"という体験こそが見つけるべき探し物だったとわかること。 まぁこんな風に、堀江さんの文章を読むとそのリズムにすっかり引っ張られる。真似というには拙すぎるが、堀江さん独特の柔らかいアフォリズムがグルーヴとなって体内に残るのだ。ルーシェを追うという旅の目的がだんだんと周縁へ追いやられ、旅程で出会った人びととの交流がにぎやかに豊かさを増していくさまは、堀江敏幸の小説を読むという快楽をそのまま小説というかたちに閉じ込めたかのようだ。 ルーシェの詩は創作なんだろうけど、日本語で読むぶんには北園克衛のようなコンクリート・ポエトリーを思わせる。詩に表れる独特の色彩感覚が父と息子のあいだで共有されていたのかもしれない、とほのめかされる終盤の展開が美しい。 それから、食べる姿の美味しそうな様子! 粗雑そうに見えた古道具屋のおじさんがフォークにくるくると器用に巻きつけて食べるシュークルートに始まって、アフリカからの移民一家と親しくなるきっかけになったクスクス、蚤の市のおばあさんが無表情で口に運んでいるヨーグルト、老夫妻の家で食べすぎて笑われたヌガーまで、まるでフェルメールの絵にでてくる細かな光の粒子を纏った食べ物みたいに思える。酔っ払った気分を「ふんわりしていた」と言ったり、みみずを「もっちり」と書くセンスも好き。
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面白語った。 この繊細な文章に対して 面白いという言葉は違和感かもしれないけれど 前半と後半の違いや (後半では何度も笑顔になりました) ストーリー中心から離れた人々の心の内が 息遣いまで聞こえてきそうなほどの距離で描かれていて 一気に読み終わりました。 是非に、他の作品も読んで...
面白語った。 この繊細な文章に対して 面白いという言葉は違和感かもしれないけれど 前半と後半の違いや (後半では何度も笑顔になりました) ストーリー中心から離れた人々の心の内が 息遣いまで聞こえてきそうなほどの距離で描かれていて 一気に読み終わりました。 是非に、他の作品も読んでみたいと思います。
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