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ひとかどの父へ 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2018/05/07 |
JAN | 9784022648853 |
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ひとかどの父へ
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「乳房のくにで」が面白かったので、この著者の作品を調べて、本作は在日コリアンが題材になっているようだったので興味がわいて読みました。物語は父親不在で母子家庭で育った朋美の子供時代から、壮年に至るまでまでを描いている。素直になれない性格や、友達、いとことの関係、母との確執などは、父親のルーツがどこであっても関係なく、思春期の物語として読める。孤独で知的だが素直ではない朋美と、勉強はできないけど素直で明るい幸子との関係も読みごたえがあった。 屈折した子供時代を経て、それなりに魅力的な女性になったらしい朋美の姿を思い浮かべながら読むと楽しい。あくまで「それなり」で、劇的に美しくなった、とかじゃないところがまた良い。 自分の父親が朝鮮人かもしれないと知ったときの嫌悪感や、母清子の回想に出てくる、1960年代のわかりやすい在日への差別感情など、日本社会に存在する(した)差別をストレートに、ありのままに描いていると思った。自分は差別なんてしない、今の時代にはありえない、と思っている人も、この部分を読んだら、その時代に自分が生きていたらやはり同じように差別していたのではないか、と考えさせられる。 教科書にはよく、「差別をうけながらも力強く生きた」というような例や記述が出てくるが、清子が若かった時代、困っている同胞を家族同然に助けたことなどが、それにあたるのだろう。そうしなければ、生きていけなかったのだろうと思う。また、このままではダメだと考え、北朝鮮帰国事業によって北に渡った人たちも多い。 プロローグに出てくる朋美の娘のエピソードが、明るい未来を予感させて、構成もすごくいいな、と思った。
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母清子と暮らす朋子が、疾走した自分の父親が朝鮮人であると知ってショックを受け、在日の親友とも交流を絶つが、やがて大阪に住む父を訪ねて乗り越えていくまでを、年代別に朋子の視点、母清子の視点など変えながら描いていく。比較的すらっと読めたが、ストーリー的には今ひとつかな。
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周囲に在日の人は予想以上にいると思うし、知らず知らずにかかわることも多いが、それぞれの人生で背負っているものの重さが伝わってきて、胸が痛む。
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