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国体論 菊と星条旗 集英社新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2018/04/01 |
| JAN | 9784087210286 |

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商品レビュー
4.1
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先の戦争の終結時、我が国の支配層は何故あれまでに天皇制の維持にこだわったのだろうか。ポツダム宣言受諾の第一の条件が、国体の護持だというのだから、分からない。わからないと言えば、この国体という概念ほどわからないものもない。一般には「天皇が統治する政体」を意味すると考えられている。戦...
先の戦争の終結時、我が国の支配層は何故あれまでに天皇制の維持にこだわったのだろうか。ポツダム宣言受諾の第一の条件が、国体の護持だというのだから、分からない。わからないと言えば、この国体という概念ほどわからないものもない。一般には「天皇が統治する政体」を意味すると考えられている。戦争に負けたのだから、戦勝国に占領統治され、それまでの政体が解体されるのは当然と思われるが、当時の指導者は国体の護持を真剣を願ったという。戦争を戦い抜いた相手国にそんな言い分が通ると思うナイーブさというか、厚かましさというか、どうにも私にはこの国の支配層の頭の中がどうなっているのか、見当もつかない。だから本書では「国体」を単に社会体制としては見ていない。日本人の精神風土をも含めて「国体」を論じている。 日本史を概観した時、どの時代にあっても、権力の二重性というか、権力と権威の分離を見て取る事ができる。それによって天皇制が永らえる事ができたとも言える。だから現代でも元首相の「この国は天皇を中心とした神の国」発言が飛び出してくる。やはり日本人の精神性には、天皇が深く関わっているのである。さて、本書の論旨である。戦後、象徴天皇のもと民主国家として再出発した我が国は、天皇に代わるものとしてアメリカを選び出したと著者は指摘する。ことアメリカを相手にすると、この国の主権は無いに等しい。たとえ独立国としての扱いをされなくても、唯々諾々とアメリカの言い分に従うのは、戦前の天皇制と同じ構図だというのだ。どうしてそこまで卑屈に対米従属するのか私には理解できない。それが国益に反することでも、アメリカの言いなりのこの国の支配層の精神構造がどうなっているのか理解に苦しむところだ。
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なぜ日米地位協定のほうが憲法より上になってしまっているのか、いまいちよくわからなかったのが、国体という切り口で鮮やかに説明されていた。戦前の天皇にあたるのが戦後のアメリカと考えれば、無条件降伏にあたって中身は変わるにもかかわらず国体は護持されると考えた(国民にそう思わせた)ことも...
なぜ日米地位協定のほうが憲法より上になってしまっているのか、いまいちよくわからなかったのが、国体という切り口で鮮やかに説明されていた。戦前の天皇にあたるのが戦後のアメリカと考えれば、無条件降伏にあたって中身は変わるにもかかわらず国体は護持されると考えた(国民にそう思わせた)ことも納得できる。まさに「天皇の赤子」から「アメリカからの愛」へだ。この後者の刷り込まれた幻想によって、日本はいまだに独立国とはいえない。そしてその現実がオブラートにくるまれている。 現上皇が生前退位をしたときの「お言葉」から当時の天皇の意図をしっかりとくみ取った著者の洞察力に感服する。私も現上皇は故安倍首相とそりが合わなかったのではないかと思っていたが、実際にはこれほどはっきりと対立していたとは知らなかった。
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1945年敗戦と共に消滅するはずであった国体は維持されたものの、内容は激変している。戦前と戦後の国体、これらを分析し、現在の国体について、2016年8月8日の天皇の「おことば」の意味するものを明らかにしようとする。 本書のテーゼとして、著者は、「戦後の天皇制の働きをとらえる...
1945年敗戦と共に消滅するはずであった国体は維持されたものの、内容は激変している。戦前と戦後の国体、これらを分析し、現在の国体について、2016年8月8日の天皇の「おことば」の意味するものを明らかにしようとする。 本書のテーゼとして、著者は、「戦後の天皇制の働きをとらえるためには、菊と星条旗の結合を、「戦後の国体」の本質として、つまり、戦後日本の特異な対米従属が構造化される必然性の核心に位置するものと見なければならない」と述べる。(序文5頁) 象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(2016年8月8日) https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12 アメリカを事実上の天皇と仰ぐ国体において、日本人は霊的一体性を本当に保つことができるのか。 もし仮に、日本人の答が「それでいいのだ」というものであるのなら、それは天皇の祈りは無用であるとの宣告にほかならない。われわれがそう答えるならば、天皇はその地位と職務を全うする義務を自らに課し続けるであろうか、それは甚だ疑問である。(終章 338~339頁)
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